石の嫁ぎ先

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児島湾締切堤防の記念碑

 児島湾は、室町時代頃は、20余の島々が浮かぶ、吉備の中海と呼ばれて美しい海であったといわれています。この海も、長い間には砂がたまりだんだんと陸地になってきました。
 明治時代以降大規模な干拓が進み、新田が開発されるようになりました。干拓が進んでいきますと農業用水の不足が深刻となりました。
 児島湾を締め切って淡水化して農業用水を確保し、農業の発展を図るため、昭和25年から工事にかかり昭和36年に締切堤防が完成しました。
 岡山市築港栄町から岡山市郡にかけて長さは1,558メートルで、上部は道路として利用され、県南部の発展に大きな役割を果たしています。
 堤防の完成を記念して、天皇陛下の御製の碑が堤防中心部に建立しています。 この記念碑の台座に犬島産の石、長さ7.2メートル、幅2.5メートル高さ1.5メートルが使われております。また、碑石には一宮産の石が使用されています。
 この台座は犬島港内の通称だんご岩から採取しております。話合いや交渉、岩石採取の方途に約5ヶ月かかり、昭和37年3月、爆破採取、起重機船60トン船で捲き上げに掛ったが、ワイヤーロープが切れて不成功、再度吊り上げに着手してやっと成功、石を海中に浮かばせて曳ボートにより曳航、やっと児島湖に向かった。採取工事も潮の干満を見て実施する難工事であった。(「犬島の散歩道」井上兼一著)と記されています。
 昭和天皇、香淳皇后両陛下は、昭和31年工事中の児島湖をご視察され御製を寄せられました。
 『海原をせきし堤にたちて見れば しほならぬうみにかはりつつあり』

記念碑の写真
児島湾締切堤防の記念碑

Map
児島湾付近のマップ

 

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