石の嫁ぎ先

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岡山城の石垣「3種類の積み方を確認」 

岡山城の石垣はなぜ犬島の石を使用したのでしょうか。犬島は岡山藩の領土で、島内には無尽蔵に良質の花崗岩がありました。島内には石を運び出す大きな道もあったと聞いています。
 昔は機械がないので、陸を運ぶのは大変で、海から運ぶ20倍も費用がかかったそうです。海だと、大きな石は筏に吊して浮力を利用し海の引き潮満ち潮を利用して運びます。海を渡り旭川を上ればお城のすぐ下まで運べます。岡山城の石垣は犬島の石を使うことが最も便利だったと思われます。
 築城には石垣に建物の20倍もの石を積むそうで、岡山城は約2万8千個という膨大な数が使われています。石垣ができたらお城は8割方できあがったと思っていいそうです。
 岡山城の石垣は3種類の積み方が確認できます。


野面積み

 安土城では、滋賀県坂本の穴太(あのう)の里の人が石垣を積みました。
 立派な石垣が出来たそうで、岡山城も穴太の人が積んでいます。ごぼうのように奥行きの長い石を奥へ長く積みます。石は寸法に切ってなく自然のままの石なので穴があきます。そこに小さい石をはさみます。これを乱れ積みともいっています。
 宇喜多秀家は戦国の武将らしく、切り出した石にノミも当てないで荒々しい積み方をしています。天守閣北東の石垣がこの野面積みで、高く高く積んでいます。 

野面積み


切り込みハギ

 四方をきちっと合わせて積む石垣のことをいいます。内目安橋から岡山城へ入る正面の石垣は、場内でも最も大きい石を用いて切り込みハギに積んでいます。背丈より大きい石がたくさんあり、1番大きな石は縦3.5メートル、横2.5メートルを越える大石です。
 これは、小早川秀秋時代に積んだものといわれています。その側には、犬島から運ばれた石であるとの案内板があります。  

切り込みハギ

打ち込みハギ

 宇喜多秀家が朝鮮半島での戦いに大勝利を収めた時、石工を連れて帰ってきたので、岡山では石垣積みの新しい技術が、他の地域より早く入ってきています。寸法に割った石をきれいに並べて石垣を作る。これを打ち込みハギと呼んでいます。
 池田忠雄のころ月見櫓が建てられました。月見櫓の石垣は花崗岩を割って打ち込みハギに積んでいます。割り石を規則的に積み、勾配は扇のような美しい曲線を持っています。月見櫓は戦災の時も延焼をまぬかれたので当時の姿を今もそのまま残しています。

打ち込みハギ

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