石の嫁ぎ先

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石の風車「そよ風でも回る回る !」

 高知市へお住まいの石の芸術家「門脇おさむ」先生が島へおいでになり、我が家を訪ねてくれました。門脇先生は岡山県上房郡有漢町の常山公園への石の風車を作った方です。「常山公園の石の風車は2回目の作品で1回目は京都の南加茂台団地へ犬島の石で風車を作っている。ぜひ見にいっといで」とおっしゃり少年のような夢見るひとみで「日本中に石の風車を回したいな」といわれました。
 早速、京都府相楽郡加茂町南加茂台団地を訪れました。1丁目から15丁目まである大きな団地で山を切り開いた環境の良い所です。昭和56年12月から入居が始まり、現在は約2250世帯の人たちが暮らしています。
 石の風車、建っている場所がわかるかなと心配をしておりましたが、団地の入り口にありすぐ発見 ! まさしく犬島の石で作ってありました。石の高さは6メートルの大きな物で一体だけありました。1989年の建立で門脇おさむと先生のサインも彫られていました。風のぜんぜんない穏やかな日でした。ここはバス停になっていてバスを待っている数人の学生に「風車は回ってる?」とたずねると「いつも回っているよ」の答え。写真を撮っていたら少し風が出て来て石の風車は回り始めました。感激です。まわれ、まわれとそのあたりを飛び回るほどうれしかったです。
 石で作っている重い羽が落ちるような事があっては大変です。設計はどのようになっているのでしょう。企業秘密とかで教えて頂けませんが、ベアリングはスペースシャトルに使用した物と同じとか。
有漢町の常山公園は場所も広く8体もあり広々とした場所で景観も素晴らしく観光地として脚光を浴び、町おこしに一役買っております。ここ南加茂台団地での成功があってからのことです。私たち凡人には考えられない発想で、あの硬い硬い重い石を風車に仕立てるとは。そよ風でも回る風車。動力でも電力でもありません。自然と石との会話なのです。一号作品なので本当にシンプルな素朴な作品です。先生の少年のようなひとみを思い出しながら石の風車の前からなかなか離れられない私でした。

石の風車

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