石の嫁ぎ先

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鶴岡八幡宮の大鳥居

 鎌倉の鶴岡八幡宮の大鳥居も犬島の石を使用したと昔からいわれており、いつ頃の時代か記録が見つからず、是非確かめたいと思っていました。八幡宮にお参りをして石の鳥居を捜しましたが、真っ赤なコンクリートの鳥居はあっても肝心の石の鳥居は見つかりません。もう壊れてしまってコンクリートに変えてしまったのだろうかと不安がよぎりました。社務所へ行き訪ねると、ここからずっと離れた海岸近くとのこと。
 鶴岡八幡宮から由比ケ浜に向かって一直線に延びる若宮大路の南端にありました。
 道の中央にどっしりと建っており一目見て犬島産の石と分かりました。側に記念碑が建っており次のように記述がありました。
 寛文8年(1668)に徳川家綱の祖母崇源院の大願を承け備前の国犬嶋から石材を取り寄せ、檜で作られていた一の鳥居を改築しました。
 明治37年8月に国宝に指定され保存されておりましたが、大正12年の関東大震災で倒壊し、昭和11年に修復されました。
 修復には犬島から補足材を取り寄せ、古流の手法を用いて改修しました。
 鳥居の高さは約8.5メートルもあり、柱の根本は大人が3人でやっと抱えられる程あります。見た目や触った感覚は、犬島の天満宮の鳥居と同じ花崗岩で作られています。
 当時は海上を輸送したので、瀬戸内海を経て、荒海の中を東へ東へと進み、時の権威者徳川家に認められ、ここ鎌倉の地でその偉容を誇っていることを大変誇りに感じました。

鶴岡八幡宮の大鳥居

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