石の嫁ぎ先

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うたづ臨海公園の記念碑

 香川県綾歌郡宇多津町にある、うたづ臨海公園を訪ねました。江戸時代末期から始まったといわれる塩田があった場所です。塩田といえば赤穂浪士でお馴染みの播州赤穂が有名ですが、記録によると赤穂から坂出に移り住み塩田を開発したそうです。
 昭和47年まで塩業をしており、日本一の生産規模を誇っておりました。その塩田跡地は186haもある広大なものでした。
 この土地を地元の発展に利用しようと宇多津塩田土地区画整理事業が行われました。 その中で住民をはじめドライバーや旅行者の人々に憩いの場を提供しようと、瀬戸内海国立公園の中で、もっとも景観の美しい塩飽諸島や瀬戸大橋の見えるこの場所に「うたづ臨海公園」を設置し平成元年4月に開園しました。
 塩田の復元、産業資料館、芝生公園、多目的広場、わんぱく広場、花木園があり跡地の先端部の三角おにぎりのような形は、広さは3.6haあります。道の駅にもなっています。
 ここに犬島のさび石が記念碑として、高さ3m幅6.5m奥行き3mの自然石が使われています。石の節理に従ってはがした石で独特の美しい模様が見られます。
 ご案内下さった施工主の浜口石材の浜口社長は「記念公園が開園した後、平成4年に設置したので、下に敷き詰められているタイルを壊さないよう、鉄板を敷きトレーラで運びクレーン車で据え付けました。大変重い物ですから気を遣いましたよ。」とお話下さいました。
 ピカピカに磨いた石も美しいけれど自然石は風格があり味わいがあります。記念公園の中央にどっしりと構えここに集う人々に安心と癒しを与えてくれます。
 「このような仕事は目先だけではいけない。後世に残る物を。自然石がいいでしょう。犬島の石は実にいい。」と犬島石に惚れ込んだ社長は大きな仕事だけでなく、小さな所にも犬島石を使用して下さり、「ちょっと車から降りてみますか。」と洒落たパイの店の石垣や、うどん店に立ち寄り、玄関脇にさりげなくさび石のなつめの水鉢を見せて頂きました。よく見るとそれは愛犬のお墓になっており犬への愛情が伝わってきました。
 宇多津町では犬島産の石があちこちで見る事が出来、私は二重の喜びでした。
 犬島と宇多津町の深いご縁を感じ塩田の町宇多津で犬島石が皆さんに親しまれ愛される姿を目のあたりにして心暖かくおいとましました。

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