石の嫁ぎ先

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円応教本部の石段

  「犬島の石が使用してあるので一度お参りしてみたら。」と犬島出身で芦屋在住の方からの情報。
  宝伝港よりブルーラインを走り姫路東で高速道路に乗り換え2時間半ほどで兵庫県丹波市山南町村森の円応教の本部へ着きました。広い駐車場に車を止め、車内から降り見上げると山を背にして立派な本部がありました。全体で2万坪はあるという広大なものです。円応教は昭和23年に設立され、全都道府県に布教を広げ、現在は193協会信者数45万人を有する教団となっています。犬島にも西大寺教会がありこれまで多くの人々から信仰されてきました。
  事前に連絡していたので、総務課の中島先生が待っていてくれ、エレベータで8階に上がりそこから外に出て犬島の石の場所に案内してもらいました。
  階段の石はまさしく犬島産の石です。約40年間何十万人もの信者がこの上を行き交ったので、艶っぽい非常に良い表情になっています。島で石屋の親方をしていた石井さんが昭和40年代に奉納したとか。当時ではとびきり上質の白い花崗岩です。雨にあたると薄いさくら色になる石だと思いました。犬島の石を一度小豆島に運び1メートル位にきちんと加工し、船で姫路港まで運ばれ6トン積みのトラックでここまで運んだということです。あまりの量の多さにフェリーに積みにくかったと聞きました。その量約100トン弱で道路事情の悪かったあの頃は大変だったでしょう。
  工事を手伝ったという舞野さんにもお会いし、お話を伺う事が出来ました。元は長い石段だったのですが、この上の広場に信者さんが集まる時手狭になり石段を半分に減らし広場を広げたそうです。取り外した石材は舞野さんらの手で各所でリフォームされていました。花壇の石、別の場所の石段等です。1メートル程の石材なので扱い易くリフォームには最適だったのでしょう。
  リフォームされた石もまた味わいがあって良いな。石はいつでも再利用出来るのだ。という思いを新たにして今一度愛おしさが溢れ、「いつまでも元気でいてね。」とそっとつぶやきおいとましました。

円応教本部

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