留鳥 カワウキジバトコゲライソヒヨドリモズメジロ
写真提供:日本野鳥の会岡山県支部 (画像をクリックすると拡大表示されます。)
「カワウ」
 昔はまず見かけることのなかった鳥です。近年は冬だけでなく1年中犬島の周囲で見かけるようになりました。全国的に特に西日本においてはその増加が著しい鳥です。特に冬の時期はその数も多く大群でやって来て海中に潜っては餌を捕えている姿は勇壮です。餌を取り終えると岩礁に上がり濡れた翼を広げ乾かしている姿もまた面白く感じる姿です。なかなか愛嬌のある見ごたえのある水鳥です。

「キジバト」
 犬島内では、1年を通して良く見かける種である。電線に止まって「デデッポーポー」と鳴く姿や歩道の上を2羽揃って歩いている姿を見かけます。キジバトは時々畑の作物に被害を与えるので、ややもすると嫌われたりしますが、元々は草木の実や根塊を食餌としているので、雑草の実を食べて、その繁殖を防いでくれているところもあります。
 キジバトは雄雌が非常に仲が良い鳥で、常に2羽が共に行動しています。一般には、キジバトと呼ぶより「山鳩」と呼ばれる方が通りは良いようですが、必ずしも山の中に居るわけではなく人家に近い里にも多く棲んでいます。そして、山の中だけでなく人家の庭先の植木の中などに巣作りをして子育てをしていることも良くあります。

「コゲラ」コゲラ
 日本で一番小さいキツツキです。コンコンコンと木を突つくドラミングをする音を最近良く聞くようになりました。以前犬島がまだ松林が多くある時期にはほとんど見かけなかった鳥でした。島の多くの松が松枯れに合い島の木々が落葉広葉樹になってからコゲラの姿を見かけるようになりました。しかし、これから島の林は落葉広葉樹から常緑広葉樹に替わろうとしています。そしたらコゲラの姿も見ることができなくなりそうです。


「イソヒヨドリ」
 犬島で最も自慢して良い鳥がこのイソヒヨドリではないかと思っています。ヒヨドリ程の大きさで、メスはヒヨドリに似た模様が有るので海岸に棲むヒヨドリの意味からこの名前が付けられていますが、実はヒヨドリとは全く異なる種でして分類的にはツグミの仲間です。ですからそのさえずりは他を寄せ付けない清々しく美しい鳴き方なので聞き惚れてしまう程の声です。雄の姿も美しく頭から胸、背中にかけて青藍色で腹が赤褐色の目立つ色合いをしていて、さえずる時は電柱の上や屋根の上の目立つ所で行いますから見つけ易い鳥です。昔、私の友人で現在石川県の白山自然保護センターの職員をしている林哲氏がこの犬島のイソヒヨドリの学術調査を行い、何日もテント暮しをしていたことがありました。犬島には3組のつがいのイソヒヨドリが生息しています。餌は海岸のトビムシやカニ、陸のトンボやトカゲまで捕食しています。と報告を受けました。その時最も彼が喜んでいたのは島の方から受けた温かい親切でした。ほんとうに感謝しています。との言葉を残して行きました。その後の犬島では毎年子育てする姿を見ていますが、つがいの数はやはり3組のままの様です。
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「モズ」
モズ モズは不思議な鳥です。他の鳥は春にさえずりをして縄張り主張をするのに対して秋にキチ、キチ、キィー、キィーと高鳴きをしてさえずり縄張りを決めてしまいます。済んだ青空の下萩の花を見ながらこのモズの高鳴きを聞くと秋をしみじみ感じます。漢字では、「百舌鳥」と書きますが、よくウグイスやメジロなど他の鳥の声をまねるので百の舌を持つ鳥とも言われます。島の畑や人家の植え込みなどでその姿をよく見かけます。スズメよりやや大き目の鳥ですが、普段はあまり人目に付き難い、控えめな鳥です。でもくちばしは鉤状に鋭く昆虫やトカゲ、カエル時にはスズメなども襲って捕食する小さな猛禽です。


「メジロ」
メジロ 犬島の中をくまなく歩いていませんので断定はできないのですが、繁殖期の初夏から夏にかけては島の中ではメジロを見かけた記憶がありません。主に見かけるのは冬の時期です。10羽から20羽の群れになり、島の中を巡って餌を探している可愛らしい姿を見ることができます。メジロがあの小さな体で本土と島を行き来していることを思うと、他の多くの鳥たちも何の苦も無く行き来していることと思います。しかし、気になるのがこれからの犬島の自然です。一時期犬島には山の木々がほとんど無かった時代もあった様です。それから松林が成長し、松林は松枯れで数を減らし、今サクラ等を主体とした落葉広葉樹林となっています。メジロは落葉広葉樹林を好みますが、さらに自然の遷移が進み常緑広葉樹林となった時にはメジロは減ってそこに棲む野鳥たちの種類も大きく変わっていることと思います。
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