岡山市民の文芸
現代詩 −第50回(平成30年度)−


まがりかど 生ヵ縫 凛



あるいてきた まっすぐに
それが もとめられたこと


まがりかど まがってみたかった
そうしなかったのはこわかったから
まっすぐにあるいていたら
すべてが わかりやすかった
じょうぎで はかったように


だけどほんとうは
まがりかどをまがってみたい と
おもっていた


きれいでいようと
まぶたにいろをのせていた
ちいさなくちびるにも
あかるいべにをのせていた


それはふいにやってきて
ねがったうつくしさをうばう
おちぶれたくなくて
いふくも はだもかざった
うばわれてきづく
うつくしさに きづく


どろのうみにおよいで
みちのくさをはんで
しにものぐるいのすがたこそが ああ


まがりかどをまがってみたかった
なにがあるのか
まがってみよう とおくにみえるあの
あの まがりかど








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