岡山市民の文芸
現代詩 −第47回(平成27年度)−


腹時計 光 田 杉 雄


腹がくうと鳴る
人はこれを腹時計という
昼の十二時がくるとこの時計不思議と
くうと鳴る
時報の合図か
昼食の催促か・・・
長針も短針も秒針もないのに
どこで時を刻んでいる
脳から指示が出されるのか
音は腹のどこから出す
腹に楽器が有るでもなし
有ったらどんな楽器だろう
又、くうと鳴る
時計を見れば
十二時を少し過ぎている
でも
鳴らない時もある
なぜだ
時計の故障か?
だが
修理しなくても又鳴り出す


食べれば腹がふくれる
今度はげっぷが出る
お腹のお礼の返事か
有難うと言っているのか
自分の意思に関係なく
どこがコントロールしているのか
げっぷが出ればお腹が少し楽になる
お腹が空くのも
げっぷが出るのも
自分でコントロールできない
自分の体なのに自分でできない
体の不思議な現象だ
個人差もあるだろうが
又、くうと鳴る
時にはくうぐうぐうとひつこく鳴る
早く入れろと
催促の督促だろうか・・・




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