岡山市民の文芸
現代詩 −第46回(平成26年度)−


まんなか 田 房 正 子


まんなか
母がいて ワタシがいて 娘たちがいる
ワタシは 三世代の まんなか
がちゃがちゃと にぎやかに
一緒に毎日 暮らしている
娘としてのワタシは かなり 甘えている
「お母さん これ 教えて」と言い寄り
母の親心につけ込んでは
都合よく 難題を押し付けたりもする
生まれた時からの ワタシを知る
近所の人たちからは
今でも 幼い頃と同じ
「正子ちゃん」 と名前で呼ばれ
もくもくと 娘気分は倍増する
母としての ワタシは
かなり ジタバタしている
二人の娘からは 一応 「母」と呼ばれ
呼ばれるからには それなりの
姿を見せねばと
エラそうなことを言ってみたりするけれど
効いているのか いないのか
娘たちへは いつも
額に汗の 全力投球 なのである
そんな ワタシを
時には 同じ目線で 時には 距離を置き
いつも 見ていてくれて
さりげなく 後押ししてくれるのが
ワタシの母
さすが 先輩 なのである


まんなか
母がいて ワタシがいて 娘たちがいる
母からの 教えを受け継ぎ
娘たちに 受け渡す役割を
いつも どこかで 意識しながら
でも それは 何だか とても
シアワセな仕事に思えて
今は そんな毎日を たっぷりと味わおう
母がいて ワタシがいて 娘たちがいる
つながっていく つながっている




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