岡山市民の文芸
現代詩 −第45回(平成25年度)−


レッドカーペット 二人 うさぎのシッポ


三十数年振りに二人で歩くレッドカーペット
結婚式で歩いたヴァージンロード以来だね


奥津渓から臼渕へ
真っ赤に敷き詰められた
紅葉のレッドカーペット
さらさらと流れる川が
心地よい音楽を奏でる
僕はグリーンのズボンに白のシャツ
かっこいい、パープルのジャケット
君は茶色のパンプスに白のブラウス
おしゃれな、こげ茶のスカートに
オレンジのカーディガン
二人とも眼鏡に白髪頭


若さもバイタリティーも無いけれど
新婚の気分じゃないけれど
なんだか満たされた気分
三十数年も寄り添った君へのプレゼント
この風と光とレッドカーペット
君にしかあげられない
君だからあげられる
この風と光とレッドカーペット


どちらかが命尽きて寂しくなった時
このレッドカーペットを歩こうよ
このレッドカーペットを歩こうよ
きっと、どちらかが
風となって
このレッドカーペットを敷き詰め
光となって
このレッドカーペットを照らします


現代詩短歌俳句川柳随筆トップ
ザ・リット・シティミュージアム