岡山市民の文芸
現代詩 −第14回(昭和57年度)−


疑問 牧野  薫


無限の刻の流れの中で
ミクロの私が息づいている
コスモスの瞬きよりも短いその刻の中を
たまにはやさしげな表情で心を彩り

ちょっぴりと意地悪な棘をあなたの心に
うちこみ
笑い 怒り そして悲しみを並べたてて
ころころと日々を費しながら
ふっと ふりむけば私の足跡は刻の流れに
さらわれて消えてしまった―
ためらいがちに未来へそっと足を踏み入れたら
過ぎ去った刻の中から
私をじっと見つめている目がある
一体私は何!!



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