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令和7年6月提案理由

[2025年6月9日]

ID:72930

令和7年6月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

 令和7年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

林野火災について

 3月23日に南区飽浦地内で発生した林野火災は,乾燥や強風などの影響も相まって,焼損範囲が486ヘクタールまで広がり,記録が残る昭和40年以降,岡山県内で最大の林野火災となりました。

 消防職員,消防団員のほか自衛隊や近県,県内消防本部からの応援を含め延べ5,000人を超える人員と1日最大11機の消防防災ヘリコプターにより,地上及び空中から消火活動にあたり,発生から6日目の3月28日に鎮圧,20日目の4月11日に鎮火に至りました。地域住民の皆様におかれましては,大変不安な思いをされたことと存じます。この場をお借りして心よりお見舞い申し上げます。

 岡山市といたしましては,火災発生後速やかに災害対策本部を設置するとともに岡山県内の全ての消防本部,1市3県の消防防災ヘリコプター及び自衛隊に応援要請を行いました。延焼危険のある集落に延焼阻止線を設定するなど,昼夜を問わず総力を結集した懸命の消火活動を展開した結果,人家に延焼することなく,人命や市民の財産に対する被害を最小限に抑えることができました。

 長期間,困難な消火活動にご尽力いただいた消防職員・団員並びに県内応援隊,自衛隊,神戸市,鳥取県,香川県の皆様,また,物資や土地・施設の提供や支援金を寄贈いただいた民間事業所等の皆様など,お力添えをいただきました全ての皆様に,改めて深く感謝申し上げます。

 鎮火後の調査により,市有施設としては,ため池の取水施設や道路標識などの被害を確認いたしました。このうち,ため池の取水施設は,用水期までに復旧することが出来ました。

 現在通行止めとなっている県道長谷(ながたに)小串線については,7月中の全面通行止め解除を目指して,道路法面からの土砂流出や落石対策として落石防護柵などを設置する安全対策を進めております。

 また,岡山県と合同で行った林野火災跡地の現地調査では,治山ダムや落石対策が必要な箇所が確認されております。このうち,人家までの距離が近く,これから梅雨時期を迎えるにあたり,土砂及び転石の流出により下流の人家等への被害が懸念される渓流には,仮設防護柵による応急対策工事を実施しており,今週中には完了する見込みです。

 今後も出来るだけ早期の治山事業による森林機能復旧に向けて,事業主体の県に協力しながら進めてまいります。

 続きまして,最近の市政の動向等について申し上げます。

アリーナについて

 アリーナの整備については,4月20日に商工会議所やプロスポーツチームの方々と一緒に沖縄サントリーアリーナを視察いたしました。満員のアリーナで素晴らしい演出のもとに行われる試合を観戦し,観客が主体となってスポーツやコンサートなどを観ることに重きをおいたアリーナと,浦安総合体育館やジップアリーナなどスポーツをするための体育館とは,全く異なるものであると改めて強く感じたところです。

 懸案となっている財源確保については,アリーナ整備が県内全域の発展に資する事業であり,経済波及効果の約半分が市外に及ぶことから,岡山市民にのみ負担を求めることは,市民の理解が得られにくいと考えており,概算事業費280億円のうち,防災安全交付金が見込まれる180億円を除いた残りの100億円については,その半分の50億円を寄附金募集等により確保してまいりたいと考えております。

 アリーナを具体的にイメージできるパース図やリーフレットも完成し,経済界・トップチームとともに一丸となって,アリーナ実現に向けて取組を始めたところです。

公共交通ネットワークの充実

 バス路線の維持・拡充に向けた再編については,岡山市が車両の調達やバス停等の整備,運行経費の一部支援を行う公設民営方式を導入した支線バスの第1弾となる「妹尾・北長瀬線」が4月1日より運行開始されました。

 通勤や通学,通院,買い物などの利便性向上に加え,周辺地域の新たな賑わい創出に繋がることを期待しており,ぜひ多くの方にご利用いただきたいと思います。

 そのために,まずは周知に努め,さらに利用者の声を丁寧に聞きながら,改善を繰り返すとともに,利用促進につながる様々な取組を行うことで,より利便性が高く持続可能なものにしてまいります。

産業振興

 産業振興については,近年の市内総生産や民間投資の伸びに現れているように,市内の経済状況は順調に推移しております。一方で賃金の上昇が物価の上昇に追い付いていない状況が続いており,岡山市では,賃上げの原資となる収益の向上に向けた支援を行ってまいりました。今年度は,新たに新分野進出につながる設備投資補助金やDX推進事業の拡充,販路拡大のためのマーケティング活動支援事業を行ってまいります。

 スタートアップ支援では,地域経済を活性化しつつ,海外でも活躍するスタートアップを生み出す拠点形成を目指す,国の「NEXTグローバル拠点都市」に,今月4日選定されました。これを機に,さらなるスタートアップの創出や成長に繋げてまいります。

 また,アメリカの関税措置の影響が懸念される中,岡山市では,4月14日より中小企業・小規模事業者経営相談窓口を設置しております。今後も,経済界と連携を密にしながら,必要とされる支援を適宜検討してまいります。

観光振興

 観光振興については,関西国際空港やJR大阪駅など関西エリアで観光パンフレットを配布するとともに,国内外からの観光客で賑わう大阪・関西万博に7月から8月に3回,計25日間にわたり出展するなど,万博にあわせ岡山市の魅力を発信し,観光誘客を図っているところです。

教育

 教育については,今年4月に岡山後楽館中学校内に設置した夜間学級に10代から80代の12名の方が入学されました。連携中枢都市圏を中心に,4市3町と協定を結んでスタートし,入学者のうち1名は赤磐市からとなっております。また新たに倉敷市とも協定を締結し,より広域から入学することができるようになりました。市内外を問わず夜間中学を必要としている方に情報が届くよう,引き続き他の市町村へ参加を呼びかけ,県内唯一の公立夜間中学として,義務教育の学び直しの場を提供すべく,引き続き取り組んでまいります。

 小中学校の空調設備については,普通教室に続いて特別教室の整備が今月末に完了する見込みであり,設置した学校から順次使用を開始しております。

地域づくり

 地域コミュニティの中核を担う町内会については,新たに新任町内会長を対象とした説明会を今月から開催することで,地域の担い手育成を図るとともに,担い手不足を補い地域活動の負担感を軽減するため,町内会による草刈り機等の物品購入の支援を実施しているところです。

安全・安心なまちづくり

 1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損に起因すると考えられる道路陥没事故を受けて,岡山市では築造から40年以上経過した直径2メートル以上の下水道管に対して,道路上から空洞探査を行う独自の緊急点検を実施し,直ちに大きな事故につながるような箇所がないことを確認しました。

 こうした中,3月18日に,国から「下水道管路の全国特別重点調査」の実施要請があり,平成6年度以前に築造された直径2メートル以上の下水道管約36キロメートルについて,管路内部から目視調査などを実施いたします。

 この重点調査により不具合が確認されれば,順次,修繕等を行い,事故の未然防止に努めてまいります。

 今回お諮りしている補正予算案では,この重点調査に必要な費用を計上しております。

 また,4月には京都市で水道管の漏水事故が発生し,大規模な道路冠水や住居の浸水被害が生じました。水道管についても,国からの「老朽化した鋳鉄管の緊急調査」の実施要請を受けて,5月末までに緊急輸送道路下に埋設された老朽化した鋳鉄管8.4キロメートルの調査を行い,異常がないことを確認しました。

 引き続き,重要なライフラインである上下水道をはじめ,インフラの老朽化対策を計画的に進め,市民の安全・安心を守ってまいります。

市政運営

 ここで,私の市政に対する思いを申し述べます。

 「ふるさと岡山の役に立ちたい」という強い気持ちを抱いて私が市長に就任してから,11年8か月となりました。私はこれまで,「誠実」を旨とし,岡山市がさらに飛躍し,市民の皆様の心の豊かさや幸福度を高めていくために,何を為すべきか常に考えるとともに,市民の皆様のお役にたてているのかということを自問自答してまいりました。このような姿勢で職員とともに山積する課題に粘り強く向き合い,全力で取り組んできた結果,様々な成果が見えてまいりました。

 財政運営については,岡山市の発展のために様々な施策を行ってきた結果,平成25年度の一般会計当初予算額2,701億円に対して,令和7年度は過去最高額となる4,093億円となっております。 

 一般会計の歳入のうち市税収入は,好調な経済状況にささえられ,雇用者所得の改善による個人市民税の増加や,好調な企業業績による法人市民税の増加等により過去最高額の1,400億円となる見込みです。

 さらに,国からの補助金や,交付税措置の大きな起債などの有利な財源を活用していくこと等で,歳出予算が過去最高額となる中,実質公債費比率は平成25年度決算の12.4%から令和5年度決算では5.6%と改善しており,岡山市の財政状況は政令指定都市の中で上位クラスの健全性を維持しております。

 市内全体の経済については,産業振興施策をはじめ,岡山市の発展や,岡山市民のために行ってきた本市の様々な積極的な取組と,市民や事業者の皆様の活発な活動があいまって,比較可能な平成23年度と令和3年度の実質市内総生産を比較した場合の伸び率はプラス6.8%であり,政令指定都市の中で3位となっております。また,民間投資の伸び率は,プラス15.4%であり,政令指定都市の中で2位となっており,順調に推移しております。

 産業振興については,企業立地の推進やスタートアップ支援等の創業支援,デジタル化への対応等の中小企業支援を進めてまいりました。企業立地の推進では,中四国のクロスポイントという広域拠点性を活かした補助制度の新設・拡充や,産業拠点周辺の市街化調整区域における開発許可要件の緩和等に加え,道路ネットワークの強化により,民間の設備投資が活発化しているところです。

 圏域全体の発展を牽引するまちなかにおいては,岡山芸術創造劇場ハレノワのオープンや岡山芸術交流,岡山城のリニューアル等により,県外を含め多くの方々に岡山市を訪れていただいております。また,岡山の玄関口である岡山駅周辺エリアとこれらの賑わいの拠点を結ぶ「ハレまち通り」の1車線化や,下石井公園の芝生化により「歩いて楽しいまちなか」とすることで,中心部の回遊性を高めるとともに,市民や訪れた方々が憩えるまちづくりを進めてまいりました。

 子育て支援については,市長就任以降,子育て環境の整備に全力で取り組んでまいりました。子ども医療費助成では,基金を活用し,対象を高校生までとした大幅な拡充を行いました。また,保育園等の待機児童については,積極的に保育の受け皿整備や保育士の確保を行い,ピーク時には849人に達した待機児童数は,令和6年度にゼロを実現し,今年度も引き続きゼロを達成したところです。放課後児童クラブの待機児童についても,小学校入学後も保護者が安心して働くことができるよう,令和9年度のゼロを目指し,施設整備や民間事業者の活用により,受け皿確保を強力に進めているところです。

 教育については,子どもたちが「考える力」を身につけ,「分かる喜びを感じる」ことが必要と考え,まず,全国平均に比べ大きく低迷していた学力の向上に取り組みました。教育委員会と校長先生をはじめ現場の教職員が一丸となって取り組んだ結果,学力は全国平均レベルに到達することが出来ました。現在は,標準的な学力を備えた上で,自らの個性を磨き,選択と挑戦を繰り返すことが出来る子どもの育成を目指し,取組を進めているところです。

 地域の振興については,地域の歴史・文化遺産に目を向け,「岡山歴史のまちしるべ」の設置,造山古墳を中心に学術的な研究を重ねた「新たな倭国論」の提唱,戦国宇喜多家の再評価などにより,地域はもとより,広く多くの方々にその価値を伝えてまいりました。地域で大切にしてきた,あるいは知られていなかった地域の歴史・文化遺産を,地域振興基金も活用しながら観光資源として磨きをかけてきたことにより,地域に主体的な取組が生まれるなど,地域の活性化に繋がってまいりました。今後もこうした取組をしっかり続けていくことで,地域の「愛着」や「誇り」のさらなる醸成につなげてまいります。

 また,新規就農者や意欲ある農業者への支援,農産物のブランド化,有害鳥獣対策等,農業の振興にも積極的に取り組んでまいりました。

 この他にも,先に述べた新たな公共交通ネットワークの構築や,デマンド型乗合タクシー等による交通不便地域の解消,生活道路の整備,用水路等の転落防止対策,町内会による防犯カメラ・防犯灯設置に対する補助等,地域の利便性と安全性を高める取組を進めております。

 市民生活や産業活動に欠かせない道路ネットワークについては,令和4年に市道藤田・浦安南町線が開通し,笹ケ瀬川に新たな橋梁が完成したことで,笹ケ瀬川右岸地域から南区役所,岡南方面へのアクセスが格段に向上しました。この他にも環状線の一部を形成する県道岡山赤穂線や都市計画道路下中野平井線の整備,吉備スマートインターチェンジの24時間化・大型車対応,市道西大寺上・中川町(なかがわちょう)1号線整備など国や県と連携して着実に事業を進めてまいりました。また,中国地方の中でも渋滞が特に激しい国道2号の立体化や岡山西バイパスの本線整備について,国に再三要望し,事業着手に繋げてまいりました。これら道路ネットワークの充実・強化により,交通の円滑化や交通安全の確保,産業の活性化,渋滞による経済損失の解消に取り組んでいるところです。

 安全・安心については,平成30年7月豪雨における床上浸水被害約2,230戸の解消のため,浸水対策を行い,これまでに砂川の堤防整備や今保・白石ポンプ場が完成し,約7割の床上浸水解消にいたりました。残る約600戸の解消に向けて,旭川中上流ダムの再生のほか,その他ポンプ場の建設を進めていくことで解消の目途が立ってまいりました。また,自主防災組織の結成にも力を入れており,今年の3月末時点で結成率は95.5%となっております。インフラ整備等のハード対策に加え,地域の皆様の協力をいただきながら安全・安心なまちづくりを進めてまいります。

 この他にも,病気や障害等の有無にかかわらず,生きがいを持って生涯活躍できる社会を目指し,健康ポイント事業等による健康寿命延伸施策の推進や,公共施設の省エネルギー化,市民・事業者に対するスマートエネルギー導入支援等による脱炭素社会の推進,「第14回グローバルRCE会議」の開催都市として選定される等,国際的なプレゼンスを発揮しているESD・SDGsの推進など,様々な課題に対して,積極的に取り組んでまいりました。

 こうした取組を通じて,市民の暮らしやすさや,岡山の都市としての力強さ,安全・安心は大きく向上し,施策の効果が目に見える形で実を結んでおり,私自身,岡山の役に立てているのではないかと自負しているところです。今後も,この歩みをとめることなく,未来に向けて進化し続けるまちを目指していかなければなりません。 

 そのためには,変化する時代の流れや,市民の意識を的確に捉えつつ,持続的な都市の成長や活力の創出,より充実した市民生活に繋がるよう,今までの取組を高めていくとともに,交通の至便性,あまたある地域の歴史資産,盛り上がっている文化・スポーツ等の「岡山の個性」を活かし,広域性の観点を加味して,伸ばしていくことが必要であります。こういったことを通じて,中四国地域を牽引してまいります。

 私は,現状に満足することなく,岡山市のさらなる飛躍のため,市民の最大幸福のため日々努力してまいりましたが,「辿り来て未だ山麓」という言葉のとおり,未だ山の麓に到達したにすぎません。ふるさと岡山のために,私自身,さらに力を尽くすべきではないかという思いにいたりました。

 このような決意のもと,市民の皆様から信任をいただけるのであれば,引き続き,来期も市政を担当し,市民誰もが心豊かに過ごすことができ,より「愛着」と「誇り」を持てるまち,さらには市民誰もが「誇れるまち」の実現に向けて,全力を尽くしてまいる所存です。

 市民並びに市議会の皆様方のより一層のご支援とご協力をお願い申し上げる次第です。

令和7年度6月補正予算の概要

 それでは,甲第105号議案及び甲第106号議案の補正予算の概要について申し上げます。

 補正額は,一般会計で1億200万円の増額となっております。補正に要する一般財源については,令和6年度決算により生ずる見込みの剰余金で対応します。

 主な内容としましては,旧福谷小学校・幼稚園の土地・建物の再取得,市議会議員の辞職による補欠選挙を行うものです。

 また,下水道事業会計は2億2,000万円余を増額し,下水道管路の重点調査を行うものです。

その他の議案の説明

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第107号議案は,地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正に伴い,部分休業制度を拡充するものです。

 甲第108号議案は,地方税法の一部改正に伴い,個人住民税の特定親族特別控除を定める等のものです。

 甲第113号議案は,旭公民館を廃止し,岡山中央公民館を設置するものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第21号から報第24号までは,いずれも令和6年度の繰越明許費繰越計算書,継続費繰越計算書又は予算繰越計算書で,令和7年度に繰り越して執行するため,その内容について報告するものです。

 報第25号は,西大寺幼稚園・保育園園舎改築工事について,契約金額を変更したものです。

 報第26号はリース公用車の事故について,報第27号は市有自動車の事故について,それぞれ賠償額を決定したものです。

 報第28号は個人所有の自動車の破損について,報第29号は道路の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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