トランプをする娘 前の作品へ作品目次へ次の作品へ

「トランプをする娘」 昭和初期 軸装
昭和四年、佐藤春夫が六朝から明代に至る女流詩人の詩四十数篇をまとめた訳詩集『車塵集』を出版しました。背景の屏風に書かれている漢詩はそれに収められている杜秋娘の歌です。杜秋娘は数奇な運命に翻弄された女性で青春を惜しむ歌を多く詠み、杜牧によってその名を世に知らされたといいます。夢二は晩年『車塵集』に載っている漢詩を賛とした作品を多く描いていますが、いずれも楚々とした静かな美しさを備えています。

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