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限られた材料での製作

当時はまだ鉄板の溶接などの技術がなく、鑞(ろう)で付けたり、ボルトで締め付ける方法しかありませんでした。そのためエンジンボイラーから蒸気が漏れて吹き出すなど、失敗を繰り返し、エンジン製作だけに半年を費やしました。

悪戦苦闘して完成させた国産初のエンジンは2気筒で、汽缶はガソリンバーナーで焚かれ、バーナーはシリンダーの蒸気によって自動調節されるという精巧なものでした。
ボディーは木製で、材質の堅いケヤキを用いました。ホイールのリムは鉄板を曲げて、スポークは太い針金で。道具は工場内の2台の旋盤とハンマーとスパナだけを使い、すべて手作りされたのです。
明治35年(1902年)には、内山駒之助という人物が国内初のガソリン車を製作していましたが、これは輸入エンジンを使ったものでした。純国産としてはまさに日本初となる山羽式蒸気自動車は、明治37年(1904年)4月、ついに完成を見たのです。

 
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The Lit City Museum