8. 玉井宮本殿(たまいぐうほんでん) 前へ目次へ次へ
玉井宮本殿の写真

玉井宮本殿

 岡山市東山にある。玉井宮は応徳二年(1085)の創立とされ、本来は岡山市小串の光明崎(現岡山市小串字米崎)にあったものを現在の地に移動させたものである。その後、岡山藩主池田光政が東照権現を玉井宮の地に勧請し、玉井宮は南方へ移動させたが、明治一四年に旧地へ戻って東照宮と合祀した。
 玉井宮本殿は東照宮の本殿であるが、正保元年(1644)に落成し、正保二年(1645)に遷宮がおこなわれた。桁行三間、梁間二間、銅板葺の入母屋造である。内部は板扉を設けて2分し、さらに内陣は扉で2分しているが、内陣内の扉は後世に付加されたものである。この建物は軒が極めて大きく前へ出ていることに特徴があり、特に向拝部分が顕著である。内部、外部とも彩色を施している。  

玉井宮本殿の図

玉井宮本殿(参考文献より引用)

 このほか、三間一戸の八脚門で、切妻造の本瓦葺の随神門は17世紀後半から18世紀前半の時期と考えられる。

玉井宮随神門の写真

玉井宮随神門

玉井宮随神門の図

玉井宮随神門(参考文献より引用)

 また、随神門の右手にある摂社坂中荒神社社殿は、桁行一間、梁間一間の小社であるが、17世紀中頃の建立と考えられる。切妻造の妻入りで、前面に向拝をつける春日造である。

摂社坂中荒神社の写真

摂社坂中荒神社

摂社坂中荒神社の図

摂社坂中荒神社(参考文献より引用)

 

位置

位置

 

見学 岡山電気軌道「東山電停」下車、徒歩10分

参考文献 岡山市教育委員会『岡山市の近世社寺建築-岡山市歴史的建造物 平成6・7年度調査報告-』1995年

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