中山茶臼山古墳(なかやまちゃうすやまこふん)
 岡山市吉備津にある古墳時代前期(西暦3世紀後半〜4世紀)の前方後円墳である。現在、大吉備津彦命墓として宮内庁の管理下にあり、立ち入りができない。墳長約120 m、後円部径約80m、後円部高約12m、前方部長40mである。
 採集されている埴輪は、最も古い埴輪である都月型とする意見と、後続する型式の埴輪であるという意見がある。また、墳丘も古墳時代前期中頃の奈良県天理市行燈山古墳(伝崇神陵)の2分の1相似形という意見もある。
 本墳の時期を決めるのは、現状の資料だけからでは困難であるが、もし最古の前方後円墳でなかった場合、足守川流域では最古の前方後円墳が少なく、かつ貧弱だったということになる。弥生時代後期の足守川流域では、多くの集落遺跡や墳丘墓を築いており、一大勢力を形成していたと考えられている。最古の大形前方後円墳が存在しないとすれば、そこに大きな歴史的意味があるといえる。

 

位置

 

見学 岡電バス「尾上南」で下車

参考文献 近藤義郎「中山茶臼山古墳」『岡山県史』考古資料 1986年

 

遠景(南から)

 

墳丘(参考文献より引用)

 

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