岡山市都市ビジョン／3めざす都市像

いま、新しい都市の時代を迎えようとしています。
この時に求められるのは、めざす都市の姿を明確にし、そこに向けて、市民、事業者、行政などまちづくりの主体が動き出すことです。
岡山は、古代吉備の時代から、鉄を手にし水陸交通の要衝という優位性をいかし、高い農業生産力により大和と匹敵する勢力を育み、発展してきました。そして、江戸時代に入ると、幾多の先人の英知により大規模な干拓・新田開発が進められ、水と緑の豊かな大地が形成されてきました。

吉備高原の山並み、市街地周辺の操山・龍ノ口山などの緑に抱かれ、水量豊富な旭川、吉井川、そしてそれらの支流・用水がモザイク模様のように流れています。豊かな自然と温暖な気候に恵まれた快適な生活環境の適地です。

江戸時代の岡山城下には、藩営の学校があったほか、豪商の手により経誼堂という民営の図書館も設けられました。明治に入っても、このような教育・学習に対する高い意識が継承され、旧旭東園舎に象徴される幼児教育への積極的な取組みや第六高等学校の誘致などが行われました。さらに戦後には、市民・県民の熱意に支えられて岡山大学が設立され、多くの優れた人材を輩出してきました。

明治20年（西暦1887年）には我が国最初の本格的孤児院が石井十次により創立され、さらに大正6年（西暦1917年）には現在の民生委員制度のモデルとなった岡山県済世顧問制度が創設され、多くの人々が救済されました。こうした福祉の心が受け継がれ、先駆的な民間福祉施設が次々と開設されています。

こうした教育に対する高い意識と福祉を大切にする心が結びつき、医療の先進性を育んできました。岡山藩医学館を前身とする岡山大学医学部と薬学部・歯学部、さらに隣接する倉敷にも医療・福祉系の大学が設置され、医療・福祉界において、優れた人材を全国へ輩出しています。そして、市内には多くの医療機関が集積し、最適な医療が取組まれています。
都市はそこに暮らす人々が創り上げていくのものです。主役は市民です。
そして都市はそこに住み活動する市民の顔の投影です。ゆえに私たち岡山市民の美しい心が、岡山を美しい街に創り上げていくのです。さらに都市づくりで重要なことは、先人たちが築き上げた歴史と文化をいかし、受け継いだものをさらに磨き上げ、そして新たな価値を創造することです。

明るく開放的な芝生、大自然の風趣風物を収めた自然と人の知恵が融合する名庭園「後楽園」。その作庭は、地域の資源と文化の豊かさを象徴した形と言えます。
豊かな水と深い緑という岡山の持つ特性をいかし、そこに暮らす人々が美しく心輝いていく都市を創造していきます。 都市の形　それは、「水と緑が魅せる心豊かな庭園都市」

福祉と医療と教育、そして交通の要衝という岡山の持つ特性をいかした都市づくりを進めていきます。
先進的な福祉、高度な医療、伝統と厚みのある教育。これを総合化し、さらに力を高め、中四国、さらに西日本圏域の発展とそこに住む人々の幸せに貢献する都市を創造します。 都市の使命　それは、「中四国をつなぐ総合福祉の拠点都市」

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