植物、動物、鉱物をそのまま、若しくは乾燥などの加工処理を施し、疾病及び傷害の治療や、医療薬品の成分原料として利用するものを(生薬)と称する。
  薬草または薬用植物と呼ばれているものは、草や木などの(草根木皮)を利用する(植物性生薬)のことを指し、(生薬)と称するもののほとんどを占めている。
  薬草または薬用植物は、漢薬、和薬、西洋薬、民間薬などに分類されるが、本稿では民間薬について記述する。
  民間薬には、各地方において科学的な根拠がないまま、伝承的、経験的に古くから利用され、迷信的なものまで含まれている。
  一般家庭において、薬草または薬用植物を利用する場合、医薬品として過度な期待をせず、薬効のある嗜好物として、ごく軽い症状や予防に役立つ程度として考えていた方がよい。
  薬草は毒草にもなりうるため、利用する植物種、使用量、利用方法などを誤れば、重大な結果を招くことになり、そのことを充分自覚しておく必要がある。