ラスター彩壁面装飾「曙光」
(加藤卓男 作)

207cm×118cm

 西アジアの窯業の秘法、ラスター彩の技術を現代に蘇らせ、日本文化の伝統の中で再解釈した岐阜県の陶芸家の作品。本館開館時の寄贈品で、イル・ハン朝時代の星形・十字形組み合わせタイルの形式を踏まえ、中央にアル・ハリーリー説話集の写本(13世紀)による大祭の行列と二人の旅人と村人の問答の場面を描いている。澄んだ青と鈍い金色が、光が柔らかく拡散する白いコンクリート壁の中庭に色彩のアクセントを与え、噴水の響きとともに清涼感を醸している。設置環境と調和した作品は美術館の来訪者を二十余年みつめてきた。


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