散歩の帰り、生け垣にからまった白い花が、闇をすかしてほのかに見える。 立ち止まり、目をこらして見ると、なんとその繊細で優美なことか。まるで白いレースをまとったおとぎの国のお姫さまのよう。しかし、この見事な花が、こともあろうに“烏の瓜”とは……。 カラスウリは、夕方暗くなって花開き、朝にはもうしぼんでしまう。雌雄異株で、根は肥大して塊状をなす。キカラスウリからは、アセモに効果のある天瓜粉がつくられる。