岡山市法界院にある前方後円墳で、半田山植物園内の丘陵頂部に位置する。墳長65m、後円部径43m、同高さ6
m、前方部長24mで、前方部がかなり短い墳形である。同じ様な墳形の古墳が、造山古墳の周辺を中心に岡山市足守や総社市域までの範囲に10基ほど分布しており、当地の中期古墳の特徴の一つといえる。 本墳の内部主体は、後円部中央の竪穴式石室で、全長約5 mである。ただし第二次世界大戦の際に、高射砲陣地がつくられ、石室の小口部分が残存するのみとなっている。出土品としては、甲胄片、槍身、鉄槌、鉄鉗がある。鉄槌と鉄鉗は鍛冶具で、埋葬されている首長が、鉄生産と深い関係のあったことがうかがえる。
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