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都市景観の特徴と課題

岡山市の地形は、北部の山や丘陵、南部の平地や干拓地そして南北に流れる3河川、東西に縦断する山陽路など起伏と変化に富んでおり、多様な地域景観の骨格となり舞台となっている。
周辺4山(操山、半田山、京山、矢坂山)、近郊5山(芥子山、龍ノ口山、金山、吉備の中山、金甲山・貝殻山)と呼ばれる市街地を取り囲む斜面緑地がある。それは市街地全域から見渡せ、自然の存在を身近に感じることができるシンボル景観となっている。

市街地を取り囲む斜面緑地の写真・周辺4山(操山、半田山、京山、矢坂山)

市街地を取り囲む斜面緑地の写真・近郊5山(芥子山、龍ノ口山、金山、吉備の中山、金甲山・貝殻山)


農地、山林、水辺、集落が一体となって、山辺集落、水辺集落、散居集落などふるさと景観とも呼ばれる人間性あふれる優しい農村風景が豊富に存在し維持されている。しかし、近年農村の都市化が進行し、伝統的な地域景観に変化が生じている。

都市化が進行する写真

農村風景の写真


足守地区の陣屋町、庭瀬・撫川地区の鴨方往来、西大寺地区の門前町など各時代ごとの歴史景観が残されており、現代に息づく奥行きのある地域景観が形成されている。また、古代吉備の時代からの古墳、寺社、城址など多くの遺跡や歴史的遺産が広く分布している。

歴史景観が残る風景写真

歴史景観が残る風景写真


都市化の過程で作り出された広大な住宅市街地は、面的整備により整然とした市街地が形成されている区域から自然発生的に無計画に市街地が形成された区域まで様々な形容である。
これらの住宅地では総じて敷地が狭小で緑が少なく生活空間としての魅力に乏しい、しかも全国同一仕様の建築物が氾濫し、地域個性に欠ける市街地が拡がりを見せている。このことが、日々の生活がゆとりや快適性からほど遠く、真の生活の豊かさが感じられない原因でもある。

都市化が進む町の写真

都市化が進む住宅街の写真


都心部では、岡山城、後楽園という岡山の顔ともいうべき地域資源があり、周囲の豊かな緑や旭川の水の流れと共に、落ち着きと風格に満ちた自然・文化景観を形成している。
城下町の歴史的な街並みは戦災によってほとんど消失し、一部出石町周辺にその面影を残すに止まっている。メインストリートである桃太郎大通、市役所筋及び西川緑公園など幅広く景観整備が行われているが、全体として潤いに乏しく居心地の良い都市空間とは言い難い。

西川緑公園の写真

桃太郎大通の写真


戦前は、農村集落や歴史的街並みに見られるように都市政策や建築政策さらにデザイナーやプランナーもいないときに、個々の主体がそれぞれの必要に応じて異なった時に建物を建てながら、建築様式などに一定の秩序を持った良好な街並みが形作られてきた。それは現在に受け継がれ、暮らしに溶け込む生きた景観として高い評価を得ている。
しかし、豊かな経済力の下で戦後55年かけて作り出した市街地は都市基盤施設が整い確かに機能的ではあるが、新たに生み出された美しく品格のある都市景観は数少ない。それは、都市を産業優先の場として構想し生活者の視点が欠けていたこと及び市民が連帯して街を創るという協働構造が失われたことの表れである。
ヨーロッパには「神が農村を創り、人間が都市を創った」という諺があるように、都市は人間が築く文化そのものであり、都市の美しさは生活の快適性を左右する重要な要素である。市民が経済的価値を超えた生活の豊かさを享受し得る「住みよいまち・住みたいまち」を実現するためには、岡山固有の地形、風土、歴史、文化に根ざした優しく美しい都市景観の形成が欠かせない。

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