第1回目「和歌の浦」

 この展覧会では、さまざまな和菓子を作るために使われる菓子木型の歴史を見つめなおしてみようということで、江戸時代後期から昭和30年代ごろまでの菓子木型や関連資料約360点をご紹介しています。

落雁「和歌の浦」現代 総本家駿河屋所蔵

 写真上のお菓子、「和歌の浦」という名前の落雁はこの菓子を作るための菓子木型とともに落雁の最高峰といえる菓子です。江戸時代後期の型を使用して現在の職人さんが再現したもので、大きさは,横39.6p、縦28.1p、厚みは2.2pもあります。3つに分割されていますが、そのうちの1つを作るのにほぼ1日かかるために、「お値段はつけられません。」とのことだそうです。紀州のお殿様のご注文、かつてはどんな方が召し上がったのでしょうか。明治30年代の記録には、一つ10数円した、とあります。当時の巡査さんの初任給が8円の時代のことです。なお、この菓子に表現されている中央の妹背山、観海閣は今も見ることができます。
 この落雁と菓子木型、そして江戸時代の菓子を描いた「絵手本」と呼ばれる貴重な資料は和歌山市の総本家駿河屋という今年で創業550年という菓子店に伝わっているものです。

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