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輸入自動車が日本上陸

江戸時代の陸上交通と言えば、もっぱら馬と駕籠(かご)。明治になると人力車や乗合馬車が出現し、さらには鉄道が登場します。自動車が世界で初めて実用化されたのは1880年代のドイツですが、日本に初めて持ちこまれたのは明治31年(1898)のことで、東京周辺の都市部にわずか数台があったのみ。一般の人には見たこともない代物だったようです。

[→山羽式蒸気自動車模型]
明治36年(1903)春、大阪の天王寺で第5回内国勧業博覧会が開催されました。その展示の最大の目玉は外国製の自動車で、黒山の人だかりだったと言います。デモンストレーションとして一台が広場を走行してみせると、どよめき、歓声があがりました。
自動車なるものを目の前にして、馬を自動車に替えて乗合自動車を走らせようと考える者は少なくありませんでした。岡山から来ていた森房造と楠健太郎も大いに心を動かされました。岡山と備中高梁間の路線は約50キロ、馬車なら丸一日かかりますが、自動車なら半日で行けると考えたのです。
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