威容を誇る天守閣 2

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立面図に見る天守閣の特徴
 岡山城天守閣は、「何層何階」というのが一見して分かりづらい複雑な構造をしている。立面図からその構造を見ると、2層の大入母屋基部を2つ重ねた上に2層の望楼部を乗せた形をしていることが分かる。3つの大入母屋屋根を有することも大きな特徴で、岡山城のほかには熊本城のみに見られる珍しい構造である。
■天守閣南北立面図
岡山城天守閣の外観上の大きな特徴は、南北と東西の幅が極端に異なること、そして1階と最上階の面積がこれまた大きく異なっている点にある。南北方向から見ると、塩蔵が西面に付属していることもあって左右に大きく広がりを持ち、非常に安定した、優雅な姿をしている。
■天守閣東西立面図
東西の立面図を見ると、南北に比べ全長が半分以下となっているため、垂直方向に高くそそり立っているように見え、南北方向から見たときのようなどっしりした安定感はあまり感じられない。しかし、2つの大入母屋屋根が妻面を向けており、西面ではさらに塩蔵の入母屋妻面が加わるため、非常に賑やかな印象を受ける。
南 立面図
岡山城天守閣の構造
熊本城天守閣
岡山城と同じく3つの大入母屋屋根を有する。
写真 熊本城
南 立面図 東 立面図
北 立面図 西 立面図
実測図:「建築雑誌」第502号より 
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