操山の野鳥たち
ウグイス(ウグイス科)

No.1 ウグイス(ウグイス科)
(画像をクリックすると拡大表示されます。)

 操山に春を告げる鳥、ウグイスの「ホーホケキョ」の声は、どなたでもご存じでしょう。
 巣作りの季節を迎えたウグイスの雄は、2月ごろからさえずり始め、4月・5月は日の出から日没までその美声を響かせます。なぜそれほどさえずるのかといえば、自分のテリトリーの防衛のため。ほかの雄の侵入を防ごうと、えさをとる時間も惜しんで鳴き続けます。人間にとっては風流な声も、当のウグイスにとってはそんな悠長な気分で鳴いているのではないことは確かです。
 ウグイスは、もっぱらやぶの中をすみかとするため、「声はすれども姿は見えず」の代表的な野鳥です。粘り強く声のする方を探して見つけても、写真のようなとりたてて特徴のない姿で、がっかりするかもしれません。
 また、ウグイスは、同じく声に特徴のある鳥、ホトトギスと切っても切れない縁にあることをご存じでしょうか。ホトトギスは、自分で巣を作らず、ウグイスの巣に卵を預け、卵からかえったひなをウグイスに育てさせます。「托卵」と呼ばれるこの習性は、人間の感覚からは悪かもしれませんが、長い時間をかけて培われた生きる知恵です。両者は、微妙なバランスにより共存しており、托卵行動でウグイスが滅びることはありません。
 自然界の不思議には目を見張るばかりです。

日本野鳥の会岡山県支部

HOME