操山の野鳥たち
キビタキ(ヒタキ科)

No.2 キビタキ(ヒタキ科ヒタキ亜科)
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 キビタキは、黄色と黒色のコントラストが鮮やかなスズメくらいの小鳥で、4月下旬から5月にかけて南から日本に渡ってくる夏鳥です。操山ではコナラ、クヌギなどの落葉広葉樹のよく茂った樹林の中で生活し、「ポッピリリ、ポッピリリ」とか、「オーシツクツク」などと軽やかな変化に富んだ美声を響かせます。
 キビタキをはじめとするヒタキ科の鳥は、それぞれが黄、青、赤、紫など色鮮やかで、なおかつ鳴き声も素晴らしいため、バードウォッチャーの人気の的です。かつて「日本三名鳥」と呼ばれたのは、オオルリ、コマドリ、ウグイスでしたが、キビタキもこれらの鳥に劣らない"名鳥"に違いありません。
 しかし、姿と声の美しさが災いし、こうした鳥たちは人間に好んで飼育され、各地で大量に捕獲されていました。環境の悪化で野鳥の数が激減した今日、捕獲は法で厳しく禁じられていますが、法の目をかいくぐった「密猟」が後を絶ちません。野鳥はカゴの中より自然の中でこそ輝いて見えるものです。野生のキビタキの「稟(りん)」とした美しさに出会ったとき、この鳥はあなたにとっての文字どおり"幸せを運ぶ黄色い鳥"になることでしょう。双眼鏡片手に操山でじっくりと探してみてください。

日本野鳥の会岡山県支部

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