岡山の草花歳時記
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 「パンジーの栽培と管理」
 柴田 映昭
 
 パンジーは開花期が10月中旬から翌年6月上旬までと長く、日照が良くて冷涼な気候を好むが高温多湿を嫌う性質がある。

 低温に遇わすことにより花数が増加し色鮮やかになるが、夜間温度が摂氏15度以上の高温期になると花数が減少する。

 タネ播きは発芽適温の摂氏15〜20度となる9月上旬〜中旬が適期で、それより早過ぎると株が徒長し脆弱となり、苗腐病などの病気や害虫の餌食になりやすい。また、遅すぎると発芽数が少なくなり苗の生育も悪くなる。

 タネ播きをする前に、タネをガーゼなどに包んでもみ洗いをすると、タネの周りについている発芽を抑制する物質が取り除かれて発芽率が良くなる。
出来れば早めにタネを購入して、8月になるとすぐ空き缶などの容器にタネを袋ごと入れて蓋をし、1か月ほど冷蔵庫で冷やしてから播くとよい。

 タネを播く用土は、バーミキュライトかピートモス、またはピートバンを使用し、風通しのよい日陰に置いて腰水管理をすると、およそ7〜10日で発芽する。

 発芽したらしっかりと日光にあわせ、灌水を怠らないように注意を払い、定植するまでは1週間に1回程度、液肥(ハイポネクス液肥など)を与える。

 本葉が2〜3枚(タネ蒔き後、約1か月)に育ったころ、口径6センチの2号サイズのビニールポットに、通気性、保水性、保肥力の良い培養土を入れて植え付ける。

 仮植えの用土は、腐葉土または堆肥(乾燥牛糞70%:乾燥鶏糞30%)を50%と赤玉土(中粒)を50%の割合で配合したものを基本として使用する。

 本葉が6〜8枚(2号ポット植え付け後、約1か月)に育ったころに定植をしてもよいが、同じ用土を使って根鉢を崩さないように気を付け、口径9センチの3号サイズのビニールポットに植え替えてやると、根張りの良いしっかりとした苗株に生育する。

 生育適温は摂氏5〜20度なので、11月頃から翌春まで植え込むことが出来るが厳寒期は避ける。

 根張りの良い苗に生育(3号ポット植え付け後、約1か月)したら、鉢やプランターに用土(仮植え時の用土を基本として、自分流にアレンジした用土でもよい)を入れて、例えば普通のプランターなら3株を目安にして定植する。

 また、花壇などに直接植え込む場合は、通気性、保水性、保肥力の良い土に改良してやり、10〜20センチ間隔で定植する。

 多肥を好むので元肥に緩効性肥料(マグアンプKなど)や骨粉、草木灰などを十分にすきこみ、追肥に窒素分の少ない即効性肥料(ハイポネクス液肥など)をあたえる。

 病害虫対策として、アブラムシが発生しやすいので、定植時に浸透移行性薬剤(オルトラン粒剤など)を用土に混入しておき、成育中に発生したらすぐに散布する。また、ナメクジが好んで食害するため、夜の活動中か昼は容器の底裏などで見つけ次第捕殺する。


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