岡山の草花歳時記
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 「ギャザリングテクニック」
 柴田 映昭

[1] ギャザリングするために

  1. プランツのテーマを決める。
  2. バランスを考えたコンテナを選ぶ。
  3. コンテナやプランツにマッチした用土をつくる。
  4. 配置を考えながら植えつける。

[2] テーマカラーをもつ

  1. 統一性を持たせるほうがまとまりやすい。
  2. 一色だけ使い、シンプルに爽やかにまとめる。
  3. 二色を使ってインパクトのある鮮やかさを決める。
  4. 多色を使ってユニークさを持たせ華やかに装う。
  5. ディスプレイにメリハリのあるギャザリングを心がける。
  6. ギャザリングには主役と脇役を配置する。
  7. ギャザリングにビジョンをもたせる。
  8. 他を参考にして自分流のアレンジを試みる。
写真 ギャザリング(寄せ植え)の例

[3] コンテナの特徴を知る

1. 焼成鉢… 素焼き鉢、駄温鉢、テラコッタなど、粘土を焼いて作った鉢。
通気性、排水性に優れ幅広い環境や植物に適している。
重くて割れやすいのが欠点。
2. プラポット… 軽くて丈夫で色やデザインが豊富で使いやすい。
通気性、排水性が悪く、気温の影響を受けやすい。
水を好む植物や水やりを忘れやすい人向き。
3. 木製容器… 腐りにくい天然木や樽の再利用など。
通気性、排水性があり土に気温の変化を伝えにくい。
地面に直置きは避ける。
4. 紙製容器… 古紙を再生して作った鉢で、環境にやさしい製品。
排水性があり、通気性に富み、軽くて壊れにくい。
地面に直置きは避ける。
5. その他… 石製、金属製、化粧鉢などや、吊り下げタイプと壁掛けタイプのハンギングバスケット、ストロベリーポット、ローポット、スタンドポット、自作のアレンジコンテナなど。

[4] 用土の特徴を知る

1. 赤玉土… 赤土を乾燥させたもので、大・中・小粒に分けられている。
弱酸性でリン酸は含まれていない。
鉢用土の基本用土として利用される。
排水性、保水性はともに良好である。
2. 腐葉土… 落ち葉を腐食発酵させたもので、改良用土として用いる。
軽くて通気性、保水性が良く、栄養分に富んでいる。
3. バーク堆肥… 樹皮を発酵させたもので、腐葉土とほぼ同じ。
4. ピートモス… 水ゴケが湿地で堆積し腐熟したもので、腐葉土とほぼ同じ。
5. 水ゴケ… 湿原の緑藻を乾燥させたもので、肥料分は含まれていない。
通気性、排水性はともに良好である。
6. パーミキュライト… 蛭石を焼いて砕いたもので、薄くて軽い。
保水、排水、通気性が良好で保肥力も良い。
7. パーライト… 真珠岩を高温で焼成させたもの。
多孔質で軽く、保水、排水、通気性は良好であるが保肥力はない。

[5] 用土をブレンドする

  1. ハンギングバスケットなど、容器を吊ったり掛けたりする場合の用土は軽くする。
    バーミキュライト5:ピートモス4:パーライト1の配合を基本とする。
    用土が軽いため灌水時に流出しやすく、通気性がよく乾燥しやすいので表面を水ゴケで覆う。
  2. プランターや鉢など容器を置いて利用する場合、用土に適度の重さが必要である。
    赤玉土6〜7:腐葉土4〜3の配合を基本とする。
    腐葉土をピートモスにするなど、自分流のアレンジをして利用する。
  3. 挿し木などの場合は、粒子の細かい用土を単用する。
  4. 種まきする場合は、ピートモスやバーミキュライトなどの単用か、保水、排水、通気性のよい用土を配合して利用する。

[6] 植え付ける

  1. 全体の葉色が濃くガッシリした株姿で、元気な新芽が出ている苗を選ぶ。
  2. コンテナの底穴に防虫ネットを置くが、底石は容器の形状による。
  3. 用土に緩効性の元肥を混ぜ込む。出来れば根腐れ防止剤も使用するとよい。
  4. 用土を入れたら苗をポットのまま並べて、色合いやバランスをチェックする。
  5. 移植を嫌う植物以外は、根の状態により袋根を取り除き根鉢を少し崩す。
  6. 苗の根元をしっかり押さえて安定させ、水が底から流れるまでたっぷりとやる。

[7] 愛情をもつ

  1. 植物の生育に適した環境に置く。
  2. 水やりは土の表面が乾いたらたっぷりやり、受け皿に水を溜めない。
  3. 追肥は株の生育が旺盛な時に適量を施し、休眠期や衰弱時には避ける。
  4. コンテナのなかを常に清潔な環境にし、摘心や花がら摘みなど適切な管理とこまめなチェックをすることで、病害虫の被害が早めに防除できる。


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