4. 池田忠継廟(いけだただつぐびょう) 岡山県指定文化財

前のページへもどる目次へもどる次のページへすすむ

 岡山藩初代藩主池田忠継を祀ったもので、忠継は大阪冬の陣後に帰城した元和二年(1615)に17才で死去した。廟は忠継の死後間もない元和年間(1615〜1624)に造営した江戸初期の建物である。もとは岡山市小橋町にあったが、、昭和五十三年(1978)に岡山市浦安本町に解体移築され、その際埋葬施設も発掘調査された。

 本殿と棟門と練塀からなる。本殿は桁行三間、梁間二間単層、入母屋造、本瓦葺、正面に軒唐破風を設ける。軒は二重繁垂木、チマキ付きの円柱を用い、唐様の組み物を三手先とし、尾垂木を出す。組み物の間に彩色彫刻を入れた蟇股を飾る。正面入り口には徳川家康から特に許可されたという三葉葵紋が付けられている。内部天井は彩色絵の格天井、正面に朱漆塗りの台座を置いて、衣冠束帯姿の忠継の木造が安置されている。建物の様式は桃山時代の特徴をよく伝えている。

写真: 池田忠継廟(いけだただつぐびょう)
池田忠継廟
写真: 天井
天井

実測図: 池田忠継廟(いけだただつぐびょう)
池田忠継廟(参考文献より引用)

地図: 池田忠継廟(いけだただつぐびょう)
位置

見学 岡電バス「土地改良区前」下車、徒歩1分

参考文献 厳津政右衛門『岡山の建築』日本文教出版株式会社 1967年
岡山県教育委員会『岡山県の文化財(二)』1981年
根木 修「中世・近世の埋葬」『岡山県の考古学』吉川弘文館 1987年

前のページへもどる目次へもどる次のページへすすむ