6. 今村宮本殿(いまむらぐう ほんでん) 次へ目次へ次へ
今村宮本殿の写真

今村宮本殿

 今村宮は岡山市今にある。もとは内山下の榎の馬場(県庁付近)にあった三社明神を天正八年(1580)に、宇喜多直家が岡山城を拡張するにあたり、現在の地に移し、同地にあった八幡宮にあわせて祀った。
 本殿は元和九年(1622)の再建であるが、桃山時代の特徴もよく残している。県指定重要文化財である。基壇状に石造の亀腹を設けたやや大型の三間社流れ造で、正面に唐破風をつける檜皮葺である。ただし唐破風を含めた正面向拝全ては後世の改造とされる。組み物の間には五三桐や菊の彫刻を入れた蟇股を置いている。内部は前一間通が外陣、奧一間通が内陣で、外陣は平らに板を張った鏡天井、畳敷き、内陣は鏡天井で床に黒漆塗りの壇を設け、その奧に三区に仕切った神座がある。神座の板戸や羽目は金碧画で、円柱や虹梁には彩色装飾を施している。

今村宮本殿の図

今村宮本殿(参考文献より引用)

 

位置

位置

 

見学 岡電バス「今村宮西」下車、徒歩5分

参考文献 巌津政右衛門『岡山の建築』日本文教出版株式会社 1967年
岡山県教育委員会『岡山県の近世社寺建築』 1978年

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