宍甘山王山古墳(しじかいさんのうやまこふん)
 岡山市宍甘にある前方後円墳で、後円部から前方部へ向かう斜面上には山王社がある。墳長68.5m、後円部径39.5m、後円部高6 m、前方部長30mである。
 前方部が三味線のバチ形に開く最古形式の前方後円墳である。しかしながら、採集されている埴輪は、最も古い埴輪である都月型よりもやや新しい。対岸の讃岐地域では、バチ形に開く前方部が比較的新しい時期まで認められる。本墳も同様の可能性がある。ただし平面形については、奈良県桜井市箸墓古墳の4分の1相似形という指摘もされている。周囲には、墳長が15m未満の小墳が2〜4 基分布しており、小規模な古墳群を形成している。
 本墳は、北西2.0 qの位置にある備前車塚古墳に続く首長墓と考えられる。
 さらに南側には「石間江」(岡山市米田付近)という古代の港湾が想定されることから、海上交通路を意識して築かれたものと考えられる。

 

位置

 

見学 JR東岡山駅から東へ、新幹線のトンネル上北側

参考文献 宇垣匡雅「吉備の前期古墳ー Uー 宍甘山王山古墳の測量調査」
『古代吉備』第10集 1988年

 

遠景(西から)

 

墳丘(参考文献より引用)

 

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