「檜皮・柿葺技術保存全国大会」が、兵庫県氷上郡山南町の円応教本部において平成11年1月24日・25日の2日間盛大に開催されましたことを心よりお慶び申しあげます。
  部外者である私が大会に参加してみて伝統技術の後継者育成が大きな問題であり、屋根葺師においては技術保存会並びに文化庁の尽力により、後継者の育成が順調に進んでいる反面、原皮師の後継者養成については、手つかずの状態であるのが現状として見受けられた。
  この問題について、保存会、文化庁等の関係各位の復唱だと思いますが、敢えて俄勉強の私が提案したいのは、技術者の「地位向上と生活の安定」を図ることが、伝統技術の保存において最も重要な案件だということである。
  しかし、その問題は行政が発案し遂行する事業に、技術者がそのレールに乗って進むのではなく、技術者自らが自己の知恵と力で発議実行し、それを行政がサポートするという図式が「地位の向上と生活の安定」を獲得し、確実に定着させていくために最善最良の方法だと思われる。 
  行政はあくまでサポート役に徹するべきであり、その役割は人的、物的ネットワークの創設及び運営により、啓蒙啓発情報収集、環境整備等多岐にわたると考えられる。
  勉強会における私自身の検討事項として文化庁による「文化財<檜皮葺>の森=仮称」の指定と整備、税制面での支援の可否のほかを挙げている。
  また、市民に対する啓蒙啓発活動は、既にマスメディア(新聞・TVなど)の協力を得て頻繁に実施している。

  次に、檜について植物的な見地から拙い知識を述べてみたい。