冠山城(かんむりやまじょう)
 岡山市下足守にある。足守川東岸にある標高40mほどの独立丘陵上に位置する。独立丘陵の規模は200m×130mほどで、全てを城郭に利用していたと考えられる。
 この城は、毛利氏が対織田氏のために設定した「境目七城」(宮地山城・冠山城・高松城・鴨城・日幡城・松島城・撫川城)の1つで、高松城水攻めの前哨戦がおこなわれ、激戦となった。この時、加藤清正が一番に城に討ち入って名を上げたことでも有名である。城主の林三郎左衛門重真は、この戦いで討ち死にした。
 城郭は、三段の郭からなり、北および西の斜面には竪堀が認められる。内部の建物については、文献上に「南大手の矢倉」があったことが記されている。

 

位置

 

見学 中鉄、下電バス「龍泉寺口」下車 東側に登り口がある。
付近は、約900年前に描かれた「足守庄荘園絵図」の範囲に含まれており当時の景観が残る稀有な荘園遺跡でもある。

参考文献 葛原克人「冠山城」『日本城郭大系』 13 1980年

 

南から(堀家純一氏撮影)

 

略測図(参考文献より引用)

 

PREV.BACKNEXT