亀山城(沼城)(かめやまじょう・ぬまじょう)
 岡山市沼にある。砂川の中流域に位置する小丘陵上に位置し、古代以来の吉備中枢地を形成した旭川下流域の平野と、刀剣で有名な長船や、県南部では最も著名な中世の市場である福岡市のある吉井川流域の平野との中間点であり、両地域を押さえる立地といえる。
 この城は、備前国東半を支配していた浦上宗景に従う有力国侍である中山信正の居城であった。後に信正は、宗景の家臣であった宇喜多直家によって謀殺され、直家の居城となった。直家はこの城を拠点として備前国西半の支配権を達成する。直家が岡山城へ移った後は、舎弟の浮田春家の居城となった。
 城郭は、東西に並ぶ小丘陵上にあり、東側の丘陵上には本丸と二の丸、西側の丘陵上には西の丸がある。いずれも段整形された郭によって構成されている。岡山城本丸にあった大納戸櫓は、当城の天守閣を移築したとの伝承がある。

 

位置

 

見学 宇野バス「浮田校口」下車 北へ徒歩10分、浮田小学校北側の丘陵

参考文献 出宮徳尚「亀山城」『日本城郭大系』 13 1980年
岡山市教育委員会「築造400年記念 宇喜多直家城征り跡の探訪マップ」

 

南から(堀家純一氏撮影)

 

略測図(参考文献より引用)

 

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