1.菅原道真の犬伝説が残る島

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菅原道真と犬島

 延喜元年(901)菅原道真公が、九州の太宰府に流される途中、海上で嵐に遭い船から海に投げ出されそうになった時、どこからか聞いたことのある犬の鳴き声がするので、鳴き声をたよりに、岸辺に漕ぎ寄せてみると、かって熊野詣での時に、人に預けた道真公の愛犬が殺され、いつのまにかこの島に流れ着き、犬石となって道真公の命を助けたと伝えられています。
 犬石様のお祭りは、毎年5月3日に行われます。この犬ノ島では、岡山化学工業株式会社が操業しており、ふだんは関係者以外は出入りができませんが、このお祭りの日には渡し船が絶えず往復し、参拝者が後を断ちません。
 新緑におおわれた木々の間の鳥居をくぐり、25メートルはある長い細い石段には、数十本の幟が立てられ、一歩一歩登るにつれ、海を隔てて、遠くは四国山脈や小豆島、豊島(てしま)、児島の姿が新緑の風になびく幟の間からのどかな風景を望むことができます。
 犬石様は、安産の神として、勝負ごとの神として祭られています。
 お祭りの日には、島を離れた人々や親類の人が帰り、犬島ずしでお祝いし、なつかしい昔話に花を咲かせます。

犬石様

 

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