犬島に並ぶ石の彫刻 海辺の地図’97〜’98
海辺の地図’97〜’98  「ヒロ、コスズ、とうとう出来上がったね。よう頑張ったね。こうして置いてみるとひとつひとつがおしゃべりを始めるようで物語が次々と生まれそうよ。」
 私は親しみを込めて2人の若き女性アーチストに声を掛けました。彼女たちは京都市立芸術大学の学生たちです。『海辺の地図'97〜'98』は、犬島の伝説や風景などを形にとらえ詩的に表現したいといって犬小屋や石臼など100個ほどの小作品を並べているので、他の大学よりも設置に手間がかかっています。人懐こい彼女たちは度々の来島ですっかり仲良くなり親類の娘のような間柄となりました。ぴゅうぴゅうと容赦なく吹きつける海からの風を受けながら作業に勤しんでいる姿はとてもいとおしいものです。夏には完成の予定でしたがキャンプ場の建設と重なり11月の下旬やっと出来上がりました。2人はノミとゲンノウを振り上げカッチンカッチンと最後の仕上げをしていました。

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