鼓神社宝塔 目次へもどる
鼓神社宝塔 国指定重要文化財

 総高は、4.15メートルにおよび、県内屈指の巨大な宝塔で、花崗岩製です。
 最下部の基盤には、力強い複弁の反花を刻んでいます。
 基礎(塔本体の乗る方形の台) は、正面の格狭間に一対の孔雀、左右の面にそれぞれ別の意匠の蓮華を刻んでいます。
 塔身の正面には、方形の窪みを穿ち、金剛界大日如来坐像を彫刻し、左右側面には扉形をつくり出しています。
 塔身の上の軸部から笠石の裏にかけては、木造建築を忠実に写した降棟や軒裏の垂木までも刻み出しています。笠石上には巨大な相輪をのせています。
  製作年代は、塔身の裏面に「大勧進沙門正円、貞和二年十月二日、造立元大工妙阿」と銘が刻されている事から、南北朝期の1346年に造立されたことが判ります。
 なお、大工 妙阿は、葦守八幡宮八幡神社の石鳥居を康安元年(1361)に造ったことが知られています。

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