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(12月)江戸時代の地理学者、古川古松軒(ふるかわ こしょうけん)の旅 ~岡山市立中央図書館所蔵の写本から~

期 間  平成26年12月3日(水)~28日(日)  毎週月曜日は休館

場 所  岡山市立中央図書館 2階展示コーナー

開催趣旨
 江戸時代中期に備中国に生まれ、日本各地を旅して実地踏査に基づく紀行文や地理書を残した古川古松軒(ふるかわ こしょうけん 1726~1807年)の著作から、紀行文の代表作「西遊雑記」および「東遊雑記」と、巻子本「東都以東十五勝図」(寛政4(1792)年)の当館所蔵の写本を展示し、近代を先駆けた観察と実証の精神を紹介します。

古川古松軒の生涯

(展示品3)「東遊雑記」と(展示品1)「西遊雑記」の表紙の画像
(展示品3)「東遊雑記」と(展示品1)「西遊雑記」(いずれも江戸時代の写本)

 古川古松軒は、享保11(1726)年に、備中国の岡田藩(陣屋は現在の倉敷市真備町岡田)の薬種業の家(現在の総社市新本)に生まれましたが、若年期のことは記録が少なく、よくわかっていません。
 彼は早くから旅行や地理に関心がありましたが、著述は50歳代からいよいよ活発になり、日本全国を踏査して多数の地理書や紀行書、戦跡の研究書、日記等を残しました。
 とりわけ中国地方と九州の旅の見聞をまとめた「西遊雑記」と、奥州と蝦夷地の旅行に基づく「東遊雑記」は、彼の代表作として知られるようになります。
 古松軒の識見は、国防に関心を深めていた幕府が認めるところとなり、寛政元年(1789年)には老中首座で将軍補佐役の白河藩主、松平定信に謁見。以後もたびたび定信や幕閣の要人の諮問に応じ、寛政6(1794)年には江戸近辺の地理調査を命ぜられました。
 しかし、彼はその任務を果たすと定信からの仕官の招きも断って郷里へ帰国します。そして晩年は岡田に屋敷を得て(彼の薫陶を受けた学者のひとり、頼山陽によれば、その庭の古松の大樹から古松軒の号をとった)、学問を慕う友人たちと交流しつつ、文化4(1807)年に82歳で没するまで著述に打ち込みました。


古松軒の著作とその影響

(展示品4)「東都以東十五勝図」から、「羽州鳥海山乃略図」の画像
(展示品4)「東都以東十五勝図」から、「羽州鳥海山乃略図」

 彼の著作のうち、「西遊雑記」は、天明3年(1783年)に修験者に身をやつして一人で中国地方と九州を旅したときの見聞をまとめたもので、盛んに筆写されて流布し、古松軒の名を高めた代表作です。
 そして「東遊雑記」と「東都以東十五勝図」は、天明8年(1788年)に、今度は巡見使(将軍の代替わりごとに諸国を視察した江戸幕府の使節)の随員という、特別な立場で参加した奥州と蝦夷地の旅行の見聞がもとになっています。
 古松軒の著作は江戸時代に木版本で出版されることはなく、活字になったのは近代のことですが、代表的な著作は彼の識見を慕う多くの人の間で借覧・筆写が繰り返され、多数の筆写本が現在に伝わっています。
 近代を先駆けて観察と実証を重んじた彼の精神は、蝦夷地の探検で名を残した近藤重蔵らの後進世代から深い尊敬を寄せられていました。
 古松軒は、臆説や通説をうのみにせず、自らの眼で行う実地の観察を拠り所とし、名所や旧跡だけに興味を持つのではなく、民衆の暮らしにも深い関心を寄せてそれらを克明に記録したことから、柳田国男らの近代の民俗学者からも高く評価されました。


本展の展示品(すべて岡山市立中央図書館所蔵)

(展示品1)「西遊雑記」(全巻本)の冒頭
(展示品1)「西遊雑記」(全巻本)の冒頭

1 古川古松軒「西遊雑記」写本(全巻本) 筆写年代不明(江戸時代)
2 古川古松軒「西遊雑記」写本(2巻本) 明治23年筆写

 「西遊雑記」は、天明3(1783)年の中国地方と九州の旅行の紀行文ですが、著者自身が長年にわたって添削を重ねたようで、その間の借覧・筆写により内容に異同がみられる多くの写本が残っています。
 著者と親交が深かった漢学者の菅茶山が寛政11(1799)年に序文を寄せた、100を超す挿絵が収録された著者自筆本が重要ですが、当館にも別人の筆写による写本が2点所蔵されています
 このうち、江戸時代の全巻本(1巻本)には、筆写のたびに省略されていくことが多かった色彩豊かな挿絵が多数、収録されています。
 そして明治23年筆写の別の写本からは、近代に入っても彼の著作は求められ、筆写されて熱心に読み継がれていたことがうかがえます。


3 古川古松軒「東遊雑記」写本(2巻本) 筆写年代不明(江戸時代)

 「西遊雑記」の旅から5年後、名声を高めていた古松軒は、幕府の巡見使(将軍の代替わりごとに諸国を視察した幕府の使節)に随行する特別な立場で奥州と蝦夷地を旅し、その見聞を「東遊雑記」にまとめました。
 当館所蔵の写本では、墨画の挿絵が豊富に収録されており、東北地方の町や村の様子や、当時は松前藩が置かれていた函館地方のアイヌの民俗が、丹念・克明に記されています。

4 古川古松軒「東都以東十五勝図」写本  原本は寛政4(1792)年

 「東都以東十五勝図」(とうといとうじゅうごしょうず)も、天明8年の奥州・蝦夷地踏査によったもので、交友があった浅口郡長尾村(現在の倉敷市玉島長尾)の漢学者、小野泉蔵(号・招月、1767年~1832年)の求めに応じて旅の4年後の寛政4(1792)年に完成させたものです。
 これは巻子本(巻物)で、白河関や猪苗代湖、鳥海山、岩木山、松前など、東都(=江戸)より東の地方(奥州・蝦夷地)の十五の景勝地の情景が大きく取り上げられ、絵画としての鑑賞性が高められていますが、地誌学的関心のもとに克明精細に描かれています。
 著者自筆本は明治44(1911)年に小野泉蔵の子孫から東京帝室博物館(現在の東京国立博物館)に寄贈されており、当館に所蔵されているのは写本ですが、墨画に淡彩を施して生き生きと描かれています。

5 短冊屏風(山田方谷、古川古松軒、伊木三猿斎ほか) 短冊は江戸時代

 二曲の小さな屏風に、4人の和歌の短冊が貼られています。活躍した時代が異なるので、短冊は互いに関連するのではなく、後世に合わせられたものかとみられます。


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