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平成14年8月5日公表 住民監査請求に係る監査の結果について

岡山市監査委員公表第36号
 平成14年6月13日付けで地方自治法(昭和22年法律第67号)第242条第1項の規定に基づき提出された岡山市職員措置請求書について、監査した結果を同条第3項の規定により次のとおり公表する。

平成14年8月5日

岡山市監査委員 服部輝正
岡山市監査委員 松井健二
岡山市監査委員 土肥啓利
岡山市監査委員 磯野昌郎

岡監 第87号
平成14年8月5日

請求人氏名 省略

岡山市監査委員 服部輝正
岡山市監査委員 松井健二
岡山市監査委員 土肥啓利
岡山市監査委員 磯野昌郎

岡山市職員措置請求に係る監査の結果について(通知)

 平成14年6月13日付けで地方自治法第242条第1項の規定に基づき提出された岡山市職員措置請求書について、監査した結果を同条第3項の規定により下記のとおり通知する。

請求の受付

  1. 請求人の住所氏名
    省略
  2. 請求書の提出日
    本件請求書は、平成14年6月13日に提出された。
  3. 請求の要件審査
    本請求は、所要の法定要件を満たしているものと認め、監査を行うこととした。

請求の要旨

 請求人が提出した「岡山市職員措置請求書」による請求の要旨は、次のとおりである。

  1. 岡山市長は、岡山市庁舎の清掃業務を、現庁舎建設以来一貫して、財団法人厚生会に随意契約により委託しているが、平成13年度の清掃業務委託契約については、契約委託料が7,212万5,550円(消費税込み)で、1平方メートル当たり単価約3,125円である。(別途契約であるガラス清掃(平成13年度は指名競争入札で、189万円(消費税込み))を除く。) 随意契約理由としては、厚生会が「母子家庭、生活困窮者、身体障害者及び高齢者等の雇用確保並びに福祉事業を市と一体となって推進することを目的として設立された公益法人」であり、普通地方公共団体には「高齢者・身体障害者等の福祉増進に寄与する責務があり、 厚生会の事業目的と合致すること、長年にわたるノウハウの蓄積があり、良好な実績を有していることとしている。
  2. 岡山市長は、岡山市保健福祉会館の清掃事業については平成10年度、平成13年度に指名競争入札による契約を行っており(平成11、12年度分は平成10年度の落札業 者に随意契約で委託している。)、本庁舎についてもガラス清掃については平成13年度には指名競争入札を行っている。 してみれば、市庁舎の一般清掃業務についても、「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当しないことは明らかである。
  3. 岡山市庁舎の清掃事業について、請求人らにおいて試みに見積を徴したところ、見積価格は5,794万236円(ガラス清掃を含む。消費税込み)であり、したがって岡山市長 は随意契約により、相当価格を大きく上回る委託料を厚生会に支払っており、損害を被っている。
  4. よって、岡山市庁舎につき平成13年度に行われた清掃事業委託契約は地方自治法第234条第2項、同法施行令第167条の2第1項に違反し違法なので、監査を求めると ともに、これによって岡山市の被った損害を補填するために必要な措置を請求する。

監査対象部局

総務局行政管理部管財課

請求人への証拠の提出及び陳述の機会の付与

  1. 地方自治法( 昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条第5項の規定に基づき、平成14年7月3日、請求人に対して新たな証拠の提出及び陳述の機会を与えたところ、主として請求書の陳述及びその補足がなされた。
  2. 陳述の概略は、次のとおりであった。
    1. 市庁舎清掃業務委託契約は、 全く同種の契約である岡山市保健福祉会館の清掃業務委託契約が指名競争入札を行っていることからしても、本件契約の性質または目的が競争入札に適しないものとする随意契約の理由づけが全く事実に反するということは明らかである。
    2. 最高裁判所昭和62年3月20日判決は、随意契約をなし得る場合を拡げて解釈しているが、市本庁舎の清掃業務委託契約を個別具体的に検討してみても、厚生会の技術内容が他の同業者と比べて質的に高いとか、清掃内容が特別丁寧であるというような、庁舎清掃の目的からみて価格の有利性を多少犠牲にしても随意契約が妥当であるという事実はない。
       随意契約理由の一つであるノウハウの蓄積があり、かつ良好な実績を維持していることについては、業務の一部である一般廃棄物の運搬処理業務や、ガラス清掃業務(現在は庁舎清掃とは別途契約している。)を再委託しており、適切に業務を遂行するノウハウや能力を有しているとは言えない。
       また、福祉増進に寄与する責務があり、厚生会の事業目的とも合致するという随意契約理由は、「契約の性質や目的」とは無関係のことで、随意契約を認める理由とはなり得ない。
       厚生会に安定的な仕事を提供することは、特定の組織に雇用される者に仕事を提供するということで、単なる便宜供与であり、公平性に欠け、政策を実施しているといえるものではなく、岡山市の利益増進につながるものではない。
       厚生会の実体は、団体の福祉目的という名目とは異なり、岡山市の元幹部の天下り先であって、元職員の生活保障的な組織となっている。
    3. 甲第5号証は、岡山市内の清掃業者の見積書であるが、契約代金は2割方低下となっており、厚生会との随意契約により岡山市が高額の契約代金を支払っているのは明らかである。
    4. 厚生会の財務状況は、流動資産が9億円もあり、極めて良好な状態にあるが、これは、市が通常より高い金額で契約しているために、厚生会が儲けているのであって、決して福祉増進目的の団体とは言えない。

監査の実施

  請求人の請求事項は、第2のとおりであるが、本件請求に係る財務会計上の行為は、平成13年度の市庁舎清掃業務委託に係る平成13年6月分(平成13年6月13日以後の支出に限る。)から平成14年3月分までの委託料の支出であり、当該契約に基づく委託料の支出日は、平成13年6月13日から平成14年4月17日までで、監査請求前の1年以内であるので、当該支出を監査対象とした。
 なお、平成13年4月分と平成13年5月分(平成13年6月13日以後の支出を除く。)の支出については、委託料の支出日から1年を経過して請求があったものであり、1年を経過したことに対して正当な理由があると認められないので、法第242条第2項により、監査の対象外とした。
 平成14年7月3日には、関係職員の出頭を求め、事情聴取を行い、合議により慎重に監査した。

監査の結果

  監査の結果、平成13年度の市庁舎清掃業務委託契約(以下「本件契約」という。) は、法、同法施行令(昭和22年政令第16号。以下「施行令」という。)、岡山市契約規則(平成元年10月1日市規則第63号)に基づいた適正な手続によって締結されており、本件契約を随意契約の方法によって締結したことが、前記法令に違反して違法であるとは言いきれない。
  また、本件契約における契約金額は、相当価格を大きく上回るとは言えない。
 したがって、 平成13年度の厚生会と随意契約の方法により締結した本件契約は、法、施行令に違反し違法なので、これによって岡山市が被った損害を補填するために必要な措置を求めるとした請求人の主張は、理由がないと判断する。
 以下、その理由について述べる。

市庁舎清掃業務を財団法人厚生会に委託した経緯について

  1.  財団法人厚生会(以下「厚生会」という。)は、昭和39年9月15日に設立許可された公益法人である。
     寄付行為には、設立目的として「この法人は援護又は更生の処理を要する母子家族及び一般生活困窮者等に対し、正常な社会人として生活ができるよう援助するほか、社会福祉の向上に寄与することを目的とする。」と規定しており、上記目的を達成するための事業として、 「母子家族及び生活困窮者等の援護を行う事業、社会福祉施設に対する助成を行う事業、高齢者福祉就労事業に対する助成を行う事業、高齢者及び身体障害者等の雇用促進及び雇用の機会確保に関する事業、公共的施設の警備、清掃等受託事業(労働者を派遣して行う事業を含む。)、その他目的達成に必要な事業」を行うことを定めている。
     厚生会の職員数は、理事等を含め平成14年6月1日現在238名であるが、その約7割が60歳以上の高齢者と身体障害者で占められている。
     また、新規職員採用においても、平成13年度には、採用数59名のうち34名が60歳以上の高齢者で、雇用に際して優先的に採用している団体である。
  2.  国及び地方公共団体においては、高齢者等の雇用の促進、安定を図るために必要な施策を総合的かつ効果的に推進する責務がある旨、老人福祉法(昭和38年7月11日法律第133号)第4条、身体障害者福祉法(昭和24年12月26日法律第283号)第3条に、国及び地方公共団体における高齢者及び身体障害者(以下「高齢者等」という。)の福祉増進の責務を規定しているが、特に高齢者等の雇用に関しては、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年7月25日法律第123号)第2条の5、高齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年5月25日法律第68号)第2条の4の規定において定めている。
  3.  現市庁舎は、 昭和43年に建設され、市庁舎清掃業務については、その作業内容が高齢者等にも作業可能である簡易な軽作業を主とするものであることから、上記法の立法趣旨を尊重し又は先取りする形で、高齢者等の雇用の安定、住民福祉の向上及び住民利益の増進のための市独自の福祉施策の一つとして、当時の政策決定により、厚生会との間で委託契約を締結したものである。

 随意契約理由と委託先について

  1.  本件契約は、本来の契約の性質又は目的からすれば、競争入札に付すことが不可能又は著しく困難な場合であるとは言えないが、自治体として市政全般に亘って福祉増進を図る責務のもと、市庁舎の清掃が、比較的簡易な軽作業を主とし、高齢者等にも容易に作業でき、短期間で習練可能なものであるという業務の性質により、社会的に就業困難な状況にある高齢者等の雇用の機会確保及び雇用促進、職業の安定化という目的のために、単なる市庁舎清掃という以外に、市庁舎の清掃を通じて高齢者等の働く場を確保することが、 市の福祉施策として意義があり、施策効果も高いことから、市独自の高齢者等に対する施策の一つと位置づけ、それをもって、施行令第167条の2第1項第2号の「その性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」に該当すると政策決定されたものである。
     この結果、市における高齢者等の福祉増進がより一層進み、究極的には、市全体の住民福祉の向上、住民利益の増進が図られるものであるから、入札の競争性を犠牲にしても、随意契約の方法により契約した方が住民利益の増進につながるとした市の政策決定には、合理性がないとは言えず、諸般の事情を考慮すると、不特定多数の者の参加による競争入札に適さないとして、契約の相手方を決定することが不合理であるとは言いきれない。
  2.  委託先については、高齢者等を優先的に雇用し、職員に占める高齢者等の割合が高く、主たる業務として事務所の清掃業務を実施している公的団体で、市の指定業者に登録されているのは厚生会のみであって、他に委託できる団体がなかったこと、厚生会の事業目的が社会福祉の向上という市の施策とも合致し、公益性を有した団体であることにより、厚生会との間で随意契約を締結しているものである。
  3.  庁舎清掃業務の一部を再委託していると請求人の主張のあった一般廃棄物の運搬処理業務やガラス清掃業務は、 本来の庁舎清掃業務に付随した一部の業務であり、その一部を主体業務から切り離して他へ再委託しても、市に対して履行責任を負う厚生会に認められた権限の範囲内でなされた行為であるから、それをもって厚生会が市庁舎清掃業務全般に亘って適切に遂行するノウハウや能力を有していないとする主張は、認められない。

 保健福祉会館清掃業務委託等に指名競争入札を導入したことについて

 保健福祉会館清掃業務委託等においては、市の行政改革の一環として、完成当初から指名競争入札実施が決定されたものであるが、高齢者等の就労に関しては、職業訓練や職業能力開発等、社会的環境が次第に変化し整備されつつある反面、景気低迷という社会的状況と相まって、依然として厳しい状況にあり、行政の合理化、効率化を推進しつつ、福祉施策の責務を有する行政としての政策の必要性という総合的見地からすると、本件契約が直ちに随意契約締結の合法性を失うと言えるものではない。

 契約金額について

 請求人は、厚生会と市が随意契約を締結することによって通常より2割方高い金額の委託料を支払っているため、市に損害が発生していると主張する。
 請求人が事実を証する書面として提出した清掃委託に関する見積書は、請求人の陳述では、市内のある業者により作成されたということのみで、根拠が不明確であり、これが必ずしも相当価格であると断ずることはできない。
 また、現在の類似施設における清掃業務の比較は次のとおりである。

施設清掃面積1平方メートルの1か月当たりの単価
本庁舎(平成13年度分)
260円
保健福祉会館(平成13年度分)
240円
分庁舎(平成14年度分)
276円

ゴミ処理1トン当たりの年間処理単価
本庁舎(平成13年度分)
20,750円
保健福祉会館(平成13年度分)
21,953円
分庁舎(平成14年度分)
なし

 以上により、本件契約金額を検討したところ、決して法外な額ではなく、 本件契約金額が相当価格を大きく上回るとする請求人の主張は失当である。

その他

 厚生会が、市元幹部職員の天下り先であるという内容及び厚生会の財務状況が良好で内部留保が多いのは市が高額で契約しているためであるという内容の請求人の主張は、本件随意契約の違法性とは直接関係のない事実の主張であり、当初の請求の要旨の範囲を超えているものと判断した。

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