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平成13年5月1日公表 平成12年度行政監査の結果について

岡山市監査委員報告第13号
平成13年5月1日

岡山市長 萩原誠司様

岡山市監査委員 小田廸子
松井健二
宮武 博
羽場頼三郎

平成12年度行政監査の結果について(報告)

地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第2項の規定に基づき監査を実施したので、同条第9項の規定によりその結果を下記のとおり報告する。

監査を実施した監査委員

小田廸子
松井健二
宮武博
羽場頼三郎

監査の種類

地方自治法第199条第2項に基づく監査(行政監査)

監査の概要

監査のテーマ

市税の課税免除、減免について

監査の目的

市税の課税免除、減免は、地方税法、岡山市税賦課徴収条例の規定に基づき多種の政策目的、税負担の均衡、納税義務者の担税力の減少等の理由により行っており、その額は、 かなりの額にのぼるものと考えられる。
 しかし、 歳入、歳出の決算額のみ表示する現在の公会計では、市税の課税免除、減免の制度は、その金額も決算書上明確でないなど、市民から見えにくい存在となっている。
 そこで、 市税の課税免除、 減免制度の運用の実態を監査することにより、事務処理が関係法令の規定に基づき適正に行われているか、また制度運営の面から改善すべき点はないかなどを明らかにし、市税賦課事務の適正化に資することを目的とするものである。

監査の対象

市税のうち、地方税法、岡山市税賦課徴収条例の規定により課税免除、減免の制度が設けられている個人市民税、法人市民税、固定資産税、都市計画税、軽自動車税、特別土地保有税、事業所税を対象とした。

監査の期間

平成12年11月1日から平成13年3月31日まで

監査の方法

対象となる市税を所管する関係局部課から監査資料、 関係書類の提出を求めるとともに、 関係職員から説明を聴取して行った。

監査の着眼点

次の事項を主な着眼点として監査を行った。
ア 課税免除、減免の運用の実態はどうか。
イ 事務処理が関係法令に基づき適正に行われているか。
ウ 運用上改善すべき点はないか。
エ 他都市と比較して、本市の課税免除、減免の制度、規定について検討すべき点はないか。

監査の結果

課税免除、減免の実施状況

平成10年度の課税免除の実施状況

固定資産税 1,952件
都市計画税 1,087件
軽自動車税 259件
合計 3,298件

平成11年度の課税免除の実施状況

固定資産税 2,044件
都市計画税 1,147件
軽自動車税 261件
合計 3,452件

(注釈)個人・法人市民税、特別土地保有税、事業所税については、岡山市税賦課徴収条例に課税免除の規定はない。

平成10年度の減免の実施状況

個人市民税 53件(1,218,200円)
法人市民税 9件(450,000円)
固定資産税 10,089件(118,846,908円)
都市計画税 8,458件(30,931,100円)
軽自動車税 805件(3,977,700円)
特別土地保有税 0件(0円)
事業所税 105件(87,021,100円)
合計 19,519件(242,445,008円)

平成11年度の減免の実施状況

個人市民税 42件(726,680円)
法人市民税 11件(458,200円)
固定資産税 10,261件(112,562,480円)
都市計画税 8,701件(31,500,400円)
軽自動車税 837件(4,186,400円)
特別土地保有税 0件(0円)
事業所税 105件(73,917,800円)
合計 19,957件(223,351,960円)

申請について

申請書の様式

 市民税、固定資産税、軽自動車税、事業所税などの課税免除、減免申請の様式は一部のものを除き定められていたが、申請書の様式の根拠については、岡山市税賦課徴収条例、同施行規則等には見当たらなかった。この点は、この行政監査の実施に当たり、参考として比較調査した他都市(横浜市、名古屋市、静岡市)では税条例の施行規則で申請書の様式が定られており、本市と異なっていた。減免等の申請書は市民の権利義務に関係する事項であるので、要件審査に必要な記載事項を盛り込んだ申請様式を条例の施行規則の形式で明確に定めておくことが望ましい。

減免等の調査について

 添付書類によって減免等の要件の充足が明らかな場合(例えば、生活保護を理由とする減免について生活保護開始を証する書面が添付されている場合等)は問題とならないが、減免等の事由によっては添付された書類のみでは適否の判断が困難であり、職員が調査した結果によって決定する場合が少なくない。
 そこで、減免申請に対し職員が調査した調査結果について、減免の要件事項との関係において必要事項が記載がされているかどうかを中心に関係書類を監査したところ、

  1. 調査結果の記載そのものが不十分で、減免の該当条文のみ記載しているもの。
  2. 複数の減免要件のいずれかに該当すれば減免が認められる場合に、どの要件に該当しているかが調査結果の記載からわからないもの。
  3. 初めての減免申請の場合に開始時期の記載がないもの。

など、固定資産税を中心に簡略な記載が相当数認められた。改善が必要である。
 また、職員が現況調査をした場合、後日の調査資料として可能な限り写真を撮り、添付しておくことが望ましいと考える。

決裁

 市税の減免の決定については、岡山市事務決裁規程により部長決裁となっている。各税目について決裁の状況を調査したところ、決裁区分を誤って課長決裁としているもの(軽自動車税)、課税免除は同規程の類推からして部長決裁とすべきであるのに課長決裁としているもの(固定資産税,都市計画税)が認められた。改善が必要である。

添付書類(減免を証する書類の添付)

 市税の減免等の申請をするものは、 所定の事項を記載した申請書に、減免等の事由を証明する書類を添えて申請することになっており、添付書類について監査したところ、

  1. 生活保護開始を理由とする減免について、証明文書に保護開始の年月日の記載がないもの。
  2. 法人市民税の減免について、決算書の添付がないため収益事業を営んでいるかどうか確認できないもの。
  3. 地域住民が公共施設を無償使用する場合の固定資産税の課税免除について、町内会長の証明書の添付がないもの、町内会長の証明書に無償で使用している旨の記載がないもの。
  4. 250台以下でタクシー事業を行う場合の事業所税の減免について、認可車両数の証明書の添付がないもの。

など、添付書類について改善を要するものが認められた。
 また、申請書の添付書類欄に記載がないため、提出された書類が申請人の添付したものかどうか判然としないものが認められたので、明確にしておくことが必要である。
 なお、添付書類が前年度と同じものとなる場合に、申請人の負担軽減、事務の簡素化のため、前年度以前に添付された書類を援用し、添付省略の扱いを認めることも考えられるので、明確な運用基準の下に合理的な運用に務めることが望ましいと考える。

文書の保存年限

 市税の減免等に関する文書の保存年限は税目によって異なっており、市民税、軽自動車税が3年、事業所税、特別土地保有税が5年、固定資産税、都市計画税が永年と様々であったが、地方税法により市税の徴収権に係る消滅時効の期間が5年であることを考えると、文書の保存年限を5年未満とするのは問題であり、適切な保存年限とすることが必要である。

減免適用の開始時期

 本市の市税賦課徴収条例では、減免を受けようとする者は、納期限の7日前までに市長に申請しなければならないとなっており、この条文からは申請以降のものについて減免の適用を受けられると考えられるが、実際の運用を調べてみると、税目と減免事由によって条例の規定と異なる次のような運用が認められた。

  1. 生活保護開始、災害を理由とする個人市民税の減免は、申請日に関係なく当該事由発生日以降のものを減免しており、その他の理由によるものについても、減免適用の開始時期は必ずしも申請日以降となっていないものがある。
  2. 法人市民税について、年度を過ぎた申請に対しさかのぼって減免しているものがある。
  3. 私道の用に供する固定資産税の減免について、該当になった年度の全部について減免している。
  4. 事業所税については、過度に納期限を経過していない限り期限内申請と同じ扱いをしている。

 納期限の7日前に減免申請をするという岡山市税賦課徴収条例の規定は、現実問題として納付書の発送と納期限の日にちの間隔があまりないこと、減免事由の周知が不十分で納税者が減免事由を知らない場合が少なくないこと、減免事由によっては納期限7日前の申請が困難な場合があることなどを考えると、条例の規定どおり運用して、申請が遅れたことの不利益を申請人に課することは実際問題として難しいので、納期限後申請についても期限内申請と同様の取扱をすることについて、やむを得ないものであると考えるが、条例の規定と運用の実態がかい離していることは確かであり、条例の見直しを含めて改善が必要であると考える。
 ちなみに横浜市では、災害を理由とする減免の適用時期について条例の施行規則で、「災害発生の日以降に到来する納期において納付すべき税額の全額」というように減免適用の開始時期を明確に規定しており、一つの参考となろう。

減免の決定通知、異議申立等

 申請人に対する減免等の決定通知、不服申立に対する教示について調査したところ、市民税、特別土地保有税、事業所税については決定の通知がなされていたが、その他については不十分であった。また、教示についても、教示の文言を通知文の様式に定めている特別土地保有税や事業所税を除いて不十分な状況であった。同じ市税の中で決定通知、教示について運用が異なっているのは問題であり、統一的な事務処理がなされるよう改善を要望したい。
 なお、決定に対する異議申立については、いずれについても可能との回答であったが、今回対象とした行政監査では不服申立の事例はなかった。

継続減免

 減免の申請は納期限の7日前までに市長に申請しなければならないとされており、事務処理の効率化、納税義務者の負担の軽減のため、一度申請された減免申請書で引き続き申請書の提出を要しないで減免適用を認める、いわゆる継続減免については条例の根拠が必要と考えられる。本市においては、身体障害者等に対する軽自動車税の減免について、減免事由に変更がない限り翌年度以降は新たに申請書の提出を要しないとして、継続減免の規定を設けている。
 なお、軽自動車税の継続減免の実施状況は次のとおりである。

平成10年度の軽自動車税の継続減免実施状況
条例第68条第1項第1号

件数 563件
金額 2,947,500円
継続終了した人数 118人

条例第68条第1項第2号

件数 11件
金額 47,200円
継続終了した人数 なし

合計

件数 574件
金額 2,994,700円
継続終了した人数 118人

平成11年度の軽自動車税の継続減免実施状況
条例第68条第1項第1号

件数 591件
金額 3,104,500円
継続終了した人数 65人

条例第68条第1項第2号

件数 14件
金額 59,200円
継続終了した人数 なし

合計

件数 605件
金額 3,163,700円
継続終了した人数 65人

 これに関連して、私道の用に供する土地で、地方税法第348条第2項第5号の公共の用に供する道路に準ずるものについては、申請により固定資産税が免除されることになっているが、実態は1回申請すれば翌年度以降についても、継続して減免の適用を認めていた。その結果、私道に係る減免は、件数、金額とも次のように累積している。

平成10年度の固定資産税私道に係る減免状況
条例第50条第1項第4号 規則第9条第1項第4号イ

件数 9,538件
金額 33,499,400円

平成11年度の固定資産税私道に係る減免状況
条例第50条第1項第4号 規則第9条第1項第4号イ

件数 9,773件
金額 34,633,500円

 事務処理の効率化、納税義務者の負担軽減という理由は理解できるが、継続減免の実施については、軽自動車税のように条例の根拠が必要であり、改善が必要である。

課税免除、減免条例の運用のチェック

 課税免除、減免についてその事由を証明する添付書類だけでは適否の判断が困難であり、申請に対する職員の調査結果によって決定をせざるを得ない部分が少なくないことは既述のとおりであるが、それに相応して担当職員の権限が事実上大きなものとなることは否定できない。そこで、正規の決裁とは別に、課税免除,減免の決定について職員のし意的な判断を避け、公平な判断を確保するため審査会等の合議審査機関を設置しているか調査したところ、いずれの税目についても設置しているとの回答はなかった。減免等の事由によっては認定が困難な場合も考えられるし、また、公平な決定を行う手続として合議審査を行うことが望ましい場合もあると考える。検討を要望したい。
 なお、減免条例の運用に関連して,公益法人等が公共的施設して使用する家屋について固定資産税を免除しているのに、さらに、これ以外の者で市長が特に必要と認めた者について固定資産税を減免できるという規定を使って、同一法人について償却資産の固定資産税を免除をしているケースが認められた。不適切であり、改善が必要である。

減免規定の明確性

 本市の減免事項を定めた岡山市税賦課徴収条例、同施行規則を固定資産税についてみると、同施行規則第9条は、第1項で具体的な減免事項を定めているほか、第2項で、市長が特に必要と認めた者については第1項の規定に準じて固定資産税を軽減、免除することができると規定している。その具体的な事由を調べてみると、老人保健施設、特定の公益法人等の固定資産、相続税の物納固定資産等様々なものがあり、事業所税の場合と異なり、固定資産税の減免に関する国からの種々の通達内容を条例、規則化せず、そのまま実施しているケースが少なからず認められた。納税者である市民が減免事由に該当するかどうかを判断でき、公平性が確保されるよう、減免事由については可能な限り明確に規定しておくことが求められる。

マニュアル

 職員が減免等の事務を適正かつ効率的に行い、また、職員のし意的判断によって市民の間に不公平な事態が生ずることのないようにするためには、各税目ごとに課税免除、減免についての事務処理マニュアルの作成が望まれる。こうした観点からマニュアルの作成について調査したところ、作成しているのは個人市民税、事業所税、特別土地保有税であった。私道減免基準については内規があるが、特に固定資産税、都市計画税は、課税免除、減免の件数、金額も多いので、本市の過去の運用事例、他都市の例を参考に事務処理を効率的、公平に行うためマニュアルの作成を要望したい。

制度改正の動向

 最近5年間における市税の課税免除、減免についての制度改正の動向について調査したところ、市独自に施策化したNPO法人に対する法人市民税の免除を除き、国が政策として通達等の形式で減免内容を決定し、これを実施するため制度改正したものがほとんどであった。

その他

 今回、監査を実施した中で課税客体の把握方法について若干調査したので、ここで、その結果を記載しておきたい。
 本市では、対象法人の把握について、県から通知される市町村民税賦課資料及び各事業所から提出される設置届により課税対象法人を把握して課税しているとのことであるが、現実には、市内に事務所・事業所のある法人で設置届がないもの、支店登記がないもの、さらに、収益事業を営まない公益法人等については、収入金額が一定規模以下のものは税務署長への収支計算書の提出が必要とされておらず申告の必要がないことなどから、対象法人の把握が不十分となり、課税漏れが生ずることは否定できない。
 ちなみに、平成11年度の静岡市の包括外部監査報告によると、静岡市では平成8年度に電話帳との照合による方法により課税対象法人の掘り起こしを行い、調査対象法人667法人のうち130法人に申告を要請し、申告額は33,773千円(現年賦課分のみ)に及んでいるとのことである。 現在の岡山市の職員体制では市独自の調査を実施することが困難であることは理解できるが、年次計画を立てるなどして、対象法人の把握について積極的に取り組まれるよう検討を要望したい。

総括

 市税は、市民と行政との協働による市民本位でサスティナブルな(継続して発展する)行政運営を行うための根幹をなすものであり、市民誰にも納得して納税してもらえるよう課税根拠等税の仕組みについて、より一層周知徹底を図ることが大切であることは、言うまでもない。
 とりわけ、市税について各種の政策目的とか税負担の均衡とかに着目して、画一的に一定の範囲のものに課税しないこととする課税免除や納税義務者の一時的な担税力の減少その他納税義務者個人の事情に着目して、 一度発生した納税義務の全部又は一部を減少する減免制度は、税収減をもたらすものである。
 今回監査の結果、課税免除については、件数の把握はできたが、金額の把握は困難であった。減免については、平成11年度総額では、2億円を超えていた。長引く景気低迷のもととはいえ税収の安定的確保という観点に立ち、課税免除、減免については、より一層適切な運用を求めたい。
 なお、納税者である市民が、課税免除、減免事由に該当するか否かについて自らも判断できるよう可能な限り条例等で明確に規定し、公にすることが行き届いた市民サービスのうえからも必要であると考える。
 また、事務処理に当たっては、条例等に基づき適正かつ公平で、市民の納得が得られる事務処理マニュアルにより統一的な方法で対応し、いやしくも不公平が生じないよう合理的な運用に努められたい。

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